「2001年3月の深夜、私は警察に強制連行されました。頭に黒い筒状のものを被せられたまま贛県郊外の秘密の取り調べ室に連れて行かれたのです。部屋に入ると、至る所に拷問道具が置かれているのを目にしました。私の目に強い光が当てられた瞬間、ここからはもう生きて出られないかもしれないと思いました」
1999年7月に始まった中国共産党による法輪功学習者への迫害は、前・東北師範大学講師の王暉聯さんにまで及んだ。中国江西省贛州市で8昼夜連続の拷問を受けた王さんは、中国を脱出して転々としながら米国へ逃げてきた。
彼女はかつて、江西省贛州市第一留置場で迫害を受けたことがあった。自分が受けた迫害の様子をネットに公表すると、公安庁から目を付けられた。警察は彼女を拷問し、ネットへの情報伝達の方法や連絡人の名前などを聞き出そうとした。
「それは、身が凍るほど寒い冬でした。私は両手を後ろにして手錠をかけられ、手首に繋がれた縄を横梁の滑車に通して吊り上げられました。警察官はわざと縄を引いたり延ばしたりして私の体を上下に揺らしました。私の腕が上へ引っ張られて両足が地面から離れた瞬間、涙と汗が顔からポタポタと落ちました」
警察は、様々な方法を使って彼女を拷問した。耐え難い痛みで彼女が意識を失いかけると、警察は冷たい水を彼女の頭にかけた。
8昼夜、彼女への拷問は休みなく続いた。疲れ果てた心身を休ませないように、警察は彼女の顔に風油精(ハッカを含む塗り薬)をかけたり、唐辛子の粉をまき散らしたり、鼻をたばこの煙でいぶしたり、酒を注いだりした。「私は自分の意識がすでに自分の体を支配できなくなり、死に近づいたことを感じました」と、彼女は当時の様子を語る。
「肉体の苦痛はすでにたいしたことではなくなり、苦痛に対する精神的な恐怖が遥かに苦痛そのものを超えました。これこそ中国の民衆が受けた、中国共産党による最も残忍な迫害方法です。肉体の傷はいつか回復し、忘れることができますが、精神的な恐怖はなかなか消えません」。自らの体験を通して、王さんは共産党の残忍さがよく分かったという。
絶筆に尽くしがたいほどの苦痛を味わったにも関わらず、王さんは自分を拷問した警察官に対して恨みを抱いていないと言う。「これは個人の恩讐の問題ではありません。私は善悪には応報があるという天理を固く信じています。私は拷問されている間、ずっと彼らに法輪功の真実を説明しました。私は自分が法輪功を修煉することによって病気から抜け出した経験、信仰を放棄しない理由などを説明し、彼らに迫害をやめるよう説得し続けました」
なぜ、これほどの苦痛に耐えることができたのか。王さんは、次のように語る。「法輪功が教えている真・善・忍に対する固い信念は、私に無限の力を与えてくれました。すべての拷問手段を使った8昼夜にわたる取り調べは、私の意思を屈することができず、私の信念を曲げることができませんでした。必要な情報を聞き出すことができないと分かり、取り調べはそこで終了しました」
彼女は迫害から逃れるために転々とした後、海外に逃れてきた。彼女は、12年に及ぶ法輪功への迫害を振り返って次のように話す。「修煉する人は個人の得失にこだわりません。中国共産党政権は法輪功への迫害を発動し、経済利益の収奪、就労の権利の剥奪、家族に対する連座制、誹謗中傷どの手段を利用して全中国の人々にこの迫害への参与を強要しています。共産党は、人々の基本的な道徳心をも破壊しました。私は正義の力を結集し、中国大陸で行われている残酷な迫害を制止することを希望します。善良な人々は中国共産党の邪悪な本質をはっきりと認識し、中国共産党の組織から離脱して、善良な選択をしてほしい。それらの迫害に加担している人々も、できるだけ早く危険な犯罪行為をやめて、早く自滅の深淵から抜け出してほしいと思っています」
(翻訳編集・東山)
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