中国版ジョブズはなぜ出ないのか 制度を嘆くユーザーら

【大紀元日本10月15日】米アップル創業者スティーブ・ジョブズ氏が亡くなってわずか4時間で、中国版ツイッターで人気の「新浪微博」には3500万の書き込みが殺到した。ジョブズ氏が開発したシンプルで利便性の高い製品は多くの中国人をも魅了した。そんなジョブズ氏に敬意をはらう書き込みが飛び交う中、「13億もいるのに、(なぜ中国から)1人もジョブズが出ないのか」と、アメリカの自由な風土を羨み、自らを取り巻く環境を嘆くユーザーも多い。

李治さんもそんな1人。多くの発明案件を持ちながらも常にのけ者にされる李さんは本紙に、「中国の法律法規がジョブズのような人材をつぶしている」と経験談を交えて語った。「発明家は融資を受けるルートがない」。中国の銀行はすべて当局の管理下にあり、個人での資金集めも違法とされるため、発明を製品化する資金が手に入らないという。

また、革新的な発明をした人は政府の目に止まると、軍や政府関与の研究に配属されることが多い。「利益につながる成果が出ると、幹部たちが私腹を肥やすために群がる」。結果的に研究成果が横取りされ、考案者の創造性や積極性が削り取られるという。

天津市にある中国金融博物館の王巍理事長はジョブズ氏の死後、自身のミニブログで、「専制政治や独占資本、保守的な文化、盗んだ技術に支配される社会の中で、新しいものを創造して成功させようとするのは全く不可能で、考えるだけでも無駄だ」と言い切った。

一方、中国共産党が作った「党文化」も有能者の輩出を阻んでいる。エール大学金融経済学の陳志武教授はツイッターで、「中国の学校では、抜きんでる生徒が現れれば、先生は真っ先にその頭角を削り取る」と述べる。また、この人たちが大人になって研究の道に入ったとしても、研究資金を得るために、上司や審査委員に気に入られなければならない。その結果、コネ作りにかなりの時間と精力を費やし、自由な発想や創造性の芽が摘み取られてしまう。

中国の経済学者・程暁農氏は、中国のハイテク産業はほとんど海外から導入したもので、自前の技術力が低下していると指摘。目先の経済効果のために輸出加工業などを発展させ、高度な技術人材への需要も低いという。今後、産業構造の転換も中国にジョブズを誕生させる不可欠な要素だ。

(記者・高紫檀、翻訳編集・余靜)
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