不法移民が800万人に迫る米国 「11月の大統領選が米国民が決定する最後の選挙に」=イーロン・マスク

2024/05/10 更新: 2024/05/10

今年11月に行われる米国大統領選挙が、米国市民が決定権を持つ最後の選挙になるとイーロン・マスク氏は主張した。不法移民が有権者として流入するのを放置すれば、今後、米国のすべての選挙結果が彼らによって決定される可能性があるということだ。

10日、マスク氏はX(旧ツイッター)で「地球上のすべての国から不法移民が大量に流入する状況を見ると、2024年は米国市民が実際に(大統領選の結果を)決定する最後の選挙になるだろう」と述べた。

今回の発言は、米国下院の共和党議員が可決した国勢調査関連法の改正案に民主党が反対しているというニュースに伴う反応だ。

マスク氏は「民主党の目標は、できるだけ多くの不法移民を受け入れることによって、アメリカ市民の権利を奪うことだ」と語った。

この改正案は、10年ごとに実施する国勢調査で市民権者かどうかの確認を義務付ける調査法案を含めることにした。共和党が出した改正案は、不法移民が選挙に参加したり、選挙に影響を与えるのを防ぐという趣旨だ。

米国は10年ごとに行われる国勢調査の結果を基に、各州の総人口に応じて下院議席と大統領選挙権を配分する。したがって、多くて1日に1~2万人レベルの不法移民を多数受け入れた地域は、市民権の有無を確認しない場合、増えた人口分だけ多くの議席と選挙権を配分することになる。

今回の改正案は「平等代表法案(the Equal Representation Act)」と呼ばれている。議席配分の際には、人口数から市民権を持っていない人々の数を除外しなければ、米国の有権者の民意を正しく代表することができないという主張を含んでいる。米国の法律を破って入国した不法移民ではなく、法と秩序を遵守する市民の声を議会が代表しなければならないということだ。

現在、議席の割り当ては、10年ごとの国勢調査を含むデータを用いて、その州の総人口によって決定されているが、この中には非市民も含まれている。

マイク・ジョンソン下院議長は、今回の国勢調査関連法改正案の可決後、メディアに対し、「連邦移民法に違反し、聖域政策(sanctuary policies)を維持する州や都市に議会の議員数を増やして報いるべきではない」と述べた。

ジョンソン氏は「常識的に考えて、アメリカ市民だけが選挙人の割り当てを受ける資格がある」と言い、「平等代表法はそれを保証するものだ」と語った。

北欧の福祉国家であったスウェーデンは、2015年、社民党左派政府の主導でシリアやイラク、アフガニスタンから16万3千人などのイスラム難民を大量に受け入れ、その後、人口の25%を占めるイスラム移民との社会統合に失敗し、麻薬組織と銃器犯罪で強盗犯罪率が欧州トップクラスに急上昇した。

スウェーデン法務省の2022年9月の集計によると、両親がともに外国人移民である家庭の子供は、両親がスウェーデン生まれの家庭の子供よりも犯罪率が3.2倍高いことが分かった。安定していたスウェーデンの治安も急速に悪化し、社会問題となっている。

マスク氏は2020年の大統領選挙で民主党所属のジョー・バイデン候補に投票したことを明らかにしたが、米国-メキシコ国境に関するバイデン大統領の政策については公然と反対してきた。

共和党の改正案は、主に議会の議席配分を公平にしようという趣旨だが、マスク氏は今回の発言で非市民の投票権行使の可能性にも焦点を当てた。2020年の米国大統領選挙では、新型コロナウイルス感染症の拡散で非対面郵便投票が大規模に拡大され、有権者の本人確認が不十分な点が問題として指摘されたことがある。

ピューリサーチセンターによると、今年11月の大統領選挙ではヒスパニック系有権者の割合が過去最高を記録すると予想される。特にヒスパニック系有権者の4分の1がカリフォルニアに居住していることが分かった。カリフォルニアは不法移民を受け入れる「避難所」を自称しているところだ。

米国国土安全保障省 税関・国境取締局 (CBP)が提供したデータによると、バイデン氏が2021年1月にホワイトハウスに就任して以来、米国南部国境での不法移民が3年連続で記録的な水準に達しており、その間の合計不法移民数は800万人に迫る勢いだ。

ワシントンに本拠を置く非営利団体である米国移民委員会(AIC)の統計によると、全米人口の約13%に相当する約4520万人が移民として分類され、そのうち約53%は、いわゆる居住外国人、就労許可、または不法移民ではなく、帰化した米国市民として投票する資格がある。

バイデン政権は、国勢調査は単に各州のすべての居住者の数を集計しなければならないとし、この改正案が米国市民の身分と資格などを扱っている修正憲法第14条違反であると主張している。

ホワイトハウスは説明を通じて、「国勢調査は可能な限り正確で、政治的干渉から自由でなければならない」とし、「私たちの憲法、国勢調査法令、歴史的伝統に明記された平等代表の長年の原則を守るために最善を尽くしている」と述べた。

一方、米国のいくつかの州では、非市民権者の投票参加を遮断するための関連法改正が行われたか、進行中である。アラバマ、コロラド、フロリダなど複数の州で市民権者だけが投票できる法案が可決され、ケンタッキー、アイダホ、アイオワ州でも同様の法案を制定する手続きが進められている。

その一方で、非市民にも投票権を与えるべきだという地域もある。米国内で最も進歩的な地域として知られるニューヨーク市では、非市民の投票を許可する案が議論されている。ただし、永住権者と就労許可を受けた人だけに限定的に適用するという内容だ。

徐天睿
エポックタイムズ記者。日米中関係 、アジア情勢、中国政治に詳しい。大学では国際教養を専攻。中国古典文化と旅行が好き。世界の真実の姿を伝えます!
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