中国が遊説攻勢 米議会の中国貨幣法案阻止のため

【大紀元日本10月15日】中国政府は今、全力で米国政府に働きかけ、中国の為替操作を制裁する法案の成立を阻止しようとしている。

ロイター通信の報道によると、駐米中国大使館はメンバー12人からなる「議会連絡チーム」を結成して、有力議員の秘書たちと会合したり、議員事務所に電話したり、ホワイトハウスとコミュニケーションを取ったりしている。ロイター通信はそれについて、「中国は米国の首都ワシントンで活発にロビー活動を展開し、為替操作を懲罰する立法を妨害しようとしている。米国の政策を左右するために、一段としたたかなやり方をみせている」と報じた。

中国大使館のある幹部はロイター通信に対して、「大使館の議会工作チームのメンバーは米議会議員と接触しているだけでなく、米国のすべての政府機関、行政機関も含めてコンタクトしている」と話した。同匿名幹部によると、大使館の関係者は米国議会の有力議員の秘書たちと頻繁に会合してきた。「我々は絶えず、彼ら(秘書たち)に我々の立場を説明している。彼らには過半数の両院議員を説得して、同議題を政治化させないでほしい」と同幹部は明らかにした。

13日付のラジオ・フランス・インターナショナル(RFI)は米国の元政府高官の証言を報道した。「中国は、法案審理における米国議会の役割を一層全面的に認識している」と同高官は語り、中国大使館は絶えず、人民元の為替に関する立法について、米国議会と水面下で接しているという。ある議会議員の秘書の話によれば、近年、中国政府の遊説はますます熟達してきた。彼らは中国と関連するすべての議案を非難することはしなくなった。「一部の議案は結論が出ないことが彼らにわかったからだ」

このような中国政府による直接の働きかけ以外に、駐米中国大使館は年間42万ドルの費用で、米国の有力弁護士事務所パットン・ボッグズ社にロビイスト(ロビー活動を行う人)の業務を委託している。

ニューヨーク・タイムズ紙の報道によると、中国大使館は毎月、同社に3.5万ドルを支払って、米国議会へのロビー活動を行わせたり、議会の政治情報を中国に提供させたりしている。同業務契約は2005年から続いており、今年の5月5日と13日に中国はそれぞれ10万4090ドルと10万5000ドルを支払ったという。これらの金額は半年の委託費とみられているが、パットン・ボッグズは本件についてコメントを拒否している。

中国政府が阻止しようとしている「中国貨幣法案」は、中国政府が人民元の為替を操っていると結論付けた。11日、米国上院で支持63、反対35で可決されており、成立した場合は、米国は中国からの輸入品に対して、ダンピング防止税を課すことができる。

中国政府の働きかけについて、RFIは中国のネットユーザーの話として、「中国政府は、米国が中国の内政に干渉していると非難する傍ら、ロビイストを雇って米国の内政に干渉している。もし、オバマ政権が中国でロビイストを使って中国政府内を遊説して回るなら、中国政府はなんと言うだろう」と評した。

(翻訳編集・叶子)
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