周永康政治局常務委員も失脚? 英紙「自由が制限されている」

【大紀元日本3月23日】重慶市元公安局長・王立軍氏の米総領事館駆け込み事件で激震が走った中国の政局。事態は拡大する一方だ。重慶市元トップの薄熙来氏の解任に続き、英紙フィナンシャルタイムズは21日、情報筋の話として党内序列9位の周永康中央政法(公安・司法)委書記が失脚したと伝えた。

同紙は「中国の安全部門と緊密な関係を持つ人物」の話として、「周氏はすでにある程度の自由が制限されている」と報じた。

周氏は江沢民前国家主席の姪婿に当たり、筋金入りの江派として知られている。かねてから自国の法律を無視する薄氏主導で行われた暴力団一掃キャンペーンを賞賛したり、薄氏が解任後、政治局常務委員として唯一、同氏を支持する発言をするなど、盟友と目されている。

また、王立軍元公安局長が米総領事館に駆け込んだ際、四川省の武装警察を動員し、総領事館を包囲する指示を下し、あわや外交事件に発展しかねない状況を生んだと伝えられている。

香港紙・蘋果日報は21日、薄氏の処分を巡って温家宝首相と激しく対立していると報じた。

ワシントンタイムズのコラムリストで調査報道の著名な記者ビル・ガーツ氏は、米政府幹部の証言を引用し、王立軍が米国に渡した機密情報に、薄煕来と周永康が習近平の次期総書記の就任を妨害する密約を交わしていたと同紙にて伝えている。

周氏の一連の言動は指導部の不信感を招いたようだ。薄氏の解任後、周氏に追及の手が及ぶのは時間の問題との見方が大半を示している。

同情報筋はさらに、周氏に対して、公の場で姿を見せたり、重要会議に参加してはいけないとの通知があったと証言した。

同じ21日に、新華ネットは中央政法委主催で同委員会の3300人の地方幹部を対象に「集中学習」を行うとの記事を掲載した。記事内に同委員会トップの周氏に触れておらず、学習内容は胡錦濤主席が提唱する「科学発展観」だという。

この記事は中国の各大手ポータルサイトのトップ記事として転載され、「周氏が失脚」との憶測が広がっている。

中央政法委は社会治安を管理する部門で、150万の武装警察を掌握する重要なポスト。ここには長い間、江沢民派のメンバーがついており、薄氏に続く周氏の失脚は江沢民派にとって大きな打撃になりそうだ。

 (翻訳編集・高遠)
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