薄氏の次は周永康氏か クーデターを計画の情報も

【大紀元日本4月13日】 重慶市元トップの薄煕来氏の職務停止が発表されたのを受け、中国共産党の機関紙・人民日報11日付社説の中に、「(薄氏の妻が関与したとされる)ヘイウッド氏の死亡事件は、党と国家指導者の親族と周辺のスタッフが関与した重大刑事事件である」という一文があった。薄氏は地方都市のトップで、まだ「党と国家指導者」と言えないため、この一文は薄氏の盟友である、中央政治局常務委員の周永康政法(司法、公安)委書記のことを指しているのではないかと専門家は分析している。

クーデターも辞さない」、習近平下ろしのためか

大紀元に寄せられた内部情報によれば、党員の腐敗を監視する中央紀律検査委員会が作成した極秘文書の中に、周永康氏は薄氏と共謀し次期最高指導者習近平副主席の就任阻止を計画、「必要な場合、クーデターも辞さない」との記述があったという。

また、海外の中国語情報サイト「博訊ネット」も11日、周永康氏に関する内部情報を報じた。

それによると、2月初め、米国総領事館に駆け込んだ重慶市元副市長の王立軍氏は米国側に、薄氏と周氏が習下ろしを計画する映像・録音の証拠データなどを提出したという。その一部は英紙フィナンシャル・タイムズ紙にも流れた。

同サイトは、周永康氏は「習近平氏は腰が弱すぎる。党の最高指導者としては相応しくない。薄煕来氏は我が党の未来の真のリーダーだ」と発言したという。薄氏と5回にわたって、計画について話し合い、その内容は、周氏の後継者として薄氏を中央政法委書記に就任させること、習氏が就任する2年以内に習下ろしを実行すること、などである。

具体的なやり方として、国内外のメディアを利用し、習氏のイメージダウンを図る情報を発信し、氏の失脚への世論を作る。必要な場合は武力の行使も辞さない。そのため、薄氏は200人以上の記者、学者を買収して囲い込んだという。

その準備工作の一環として、3人はドイツから最先端の盗聴設備を入手し、中央政治局常務委員会メンバーに盗聴を仕掛けていた。また、薄氏は習近平氏、温家宝氏、汪洋氏(薄氏の政敵、広東省トップ)などの身辺情報をも収集していたと、同サイトは伝えた。

周氏は薄氏の最高指導部入りを約束したほか、王立軍氏に対し、計画が成功後、中国公安部のトップに昇進させるとの約束も交わしたという。

薄氏の腹心ある王立軍氏が米国総領事館駆込事件の後、周氏は最高指導部の中で唯一、薄氏を支持した人物で、自身への責任追及を避けようとしていた。

汚職、殺人・・・崖ぶちに立たされた周永康氏

大紀元時報が入手した内部情報によると、王立軍氏が米国総領事館に提出した資料は、周永康氏に関するものが最も多かったという。

周氏の息子は200億元の資産を持つと言われており、その大半は薄氏が提供した便宜により不正に得たものだという。さらに、薄氏との関係を利用し、四川省で官職売買を斡旋し、多額の利益を得ている。周氏は長年、薄氏と王氏から女性を提供され、享楽に溺れていたという。

王氏が提出した資料の中に周氏の首謀で殺害された幹部の名簿リストや、その一族の不正に関する証拠が含まれているという。

薄氏と周氏の盟友関係について、中国問題の専門家は大紀元時報に対し、「金銭利益のほか、法輪功弾圧の問題が絡んでいるからだ。江沢民派は法輪功弾圧の問題において、胡・温両氏の支持を得られていない。胡・温寄りの次期指導部中心メンバーも江沢民派に同調しないはず。そのことは、江沢民派の重鎮である周氏は誰よりも分かっている。そのため、周氏は薄煕来氏を自分の後継者として次期中央政法委のトップの座に就かせることによって、弾圧の責任追及から逃れたい一心だ。これは野心家で最高指導部入りを狙う薄氏の権力欲と一致した」と述べた。

周永康の後ろ盾である江沢民前国家主席はすでに植物人間状態にあると言われている。そして、薄煕来氏はすべての職務が停止された。後ろ盾と盟友を全て失った周永康氏はまさに崖ぶちに立たされている。

博訊ネットは情報筋の見解として、周永康氏は今年秋開催予定の中共18回代表大会の前に失脚する可能性が高いと報じた。

米国在住の中国問題専門家・石蔵山氏は、「胡錦濤国家主席、温家宝首相、次期最高指導者の習近平氏にとって、江沢民派の法輪功弾圧の重大責任追究は、回避できない問題だ。周氏、そして江沢民氏の悪行を暴露することは胡・温両氏にとって、最善の策だ」と見解を示した。

(翻訳編集・叶子)
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