盲人の人権活動家、監視から脱出 米国亡命か

【大紀元日本4月28日】当局に厳しく監視された山東省の盲人弁護士、陳光誠氏は自宅から脱出し、現在行方不明であると、中国国内の人権問題を監視する団体「中国人権」が27日、伝えた。

陳光誠氏の甥・陳克貴氏は中国人権に対して、光誠氏が家にすでにおらず、しかも光誠氏の兄は当局に連行された、と証言した。「26日夜、現地の双堠鎮鎮長・張健氏らは家に上がりこみ、木の棒を持って私を捕まえようとした」と克貴氏は述べ、自身の身を守るために包丁を手にして対抗したという。現地当局は27日、公式サイトにて克貴氏は「逃亡中」と発表した。

また、長らく光誠氏の解放活動を行っている友人・何倍蓉氏は、自身のツイッターで次のように告白した。「4月22日、陳光誠氏は監視された家から脱出し、私と連絡した。その後、北京まで送り、ある安全な所に隠した」27日、何氏は自宅で当局に逮捕された。

その後、光誠氏は録画したビデオメッセージを国外の中国語サイトに投稿した。ビデオの中で光誠氏は、温家宝首相に3つの要求を提出した。それは、1・法律に基づいて犯罪を処罰すること。2・光誠氏の家族の安全を守ること。3・地方の腐敗問題を解決すること。

ドイツ国営ラジオ局「ドイチェ・ベレ」は27日、光誠氏は駐北京アメリカ大使館に亡命した可能性があると伝えているが、同大使館は何もコメントを発表していない。

陳光誠氏は長い間、弱者のための人権保護活動を行う弁護士として知られていた。山東省臨沂地区の地方政権が、一人っ子政策に違反した妊婦に強制中絶を行い続けていたことを暴露したため、幹部の恨みを買い、4年3月カ月の懲役刑に服した。

2010年9月に刑期満了で釈放されたが、それ以来、山東省臨沂地区東師古村の自宅に長期軟禁され、24時間の監視を受けている。

面会を希望する友人や人権活動家は当局の配置した警備員たちに暴行され、引き返した。今回、陳氏の自宅脱出を手伝ったとされる何倍蓉氏も、過去何度も陳氏との面会を試みるが、たびたび暴行され、追い返されたという。

(翻訳編集・王知理)

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