米大使を批判した北京有力紙 こっそり本音を漏らす

【大紀元日本5月7日】本音は紙面ではなく、マイクロブログに書き込まれた。北京市の各主要メディアは4日、米大使館に保護を求めた陳光誠氏への対応をめぐって、米政府とロック米大使を批判する評論を一斉に掲載した。しかし一方、社会問題を独自の角度で報道する、市民に人気の北京有力紙「新京報」は同日深夜、公式マイクロブログで「謝罪」とも取れるメッセージを書き込んだ。また、本心を表すかのような、寂しそうなピエロの写真も掲載した。

当局の指示とみられる「米国批判」の報道攻勢に参加した同紙は、「外交官は自分の本分を超えてはならない」と題する評論の中で、陳氏を不適切な手段で米大使館に連れ込んだことに触れ、「一部の米外交官は中で不名誉な役を演じた」と、名指しこそ避けたが、明らかにロック大使を批判した。

しかし同紙のマイクロブログ・微博には同日夜、意味深なコメントが書き込まれた。「夜も更け、周りが寝静まったこの時、本心を隠すお面を外して、本当の自分に対して、『ごめんなさい』と一言つぶやきたい」。心境を揶揄したモノクロの写真も掲載された。寂しそうな表情でたばこをくわえるピエロ、側にはサーカス団のテントのようなものが写っている。

市民に人気の同紙は2011年9月から北京市委員会宣伝部の管理下に置かれた。マイクロブログの役割を擁護する言論や高速鉄道事故で政府批判した報道が問題視されたとみられる。その後、同紙の特徴である自由の報道ができなくなった。

同紙が表示した漫画は、自身をピエロ、宣伝部やほかの政府機関紙をサーカス団に喩え、批判記事が不本意であることを表した。

陳氏の処遇をめぐって、精力的に批判攻勢を強めている北京日報、京華時報、北京青年報の各紙はいずれも北京市政府に管轄されている。北京市トップの劉淇市委書記と宣伝を主管する李長春中央政治局常務委員いずれも江沢民派のメンバー。一連の批判報道は同じく江派の重鎮、陳氏への迫害を主導してきた中央政法(司法、公安)委のトップ周永康氏によるものだとみられる。

 (翻訳編集・叶子)
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