色欲を拒絶し、天をも動かす

自然に従い、良心に背かず、徳を積む。古代中国では、人の道にはずれた行いは、災いを招くと信じられていました。特に、男女間の過ちは重大な罪とみなされたのです。自由恋愛が当たり前の昨今ですが、天の掟は変わりません。真の幸福は、道徳に従ったシンプルな生き方から生まれるのです。

 

明の時代、靳瑜(じんゆ)という男がいた。彼は私塾を経営し、一生懸命生徒たちに教え、人々から尊敬されていた。しかし、彼は嫁を娶ってから20数年経つにも関わらず、子供に恵まれなかった。彼の妻は、夫に妾をとるよう説得した。すると彼は言った。「私には息子がいないのだから、教師としての職を全うし、生徒たちが国にとって有用な人物となるよう導く。これも同様に子孫を残すようなものだ。それに、息子を授かるかどうかは天が決めることであり、欲しいからと言って無理やりに得ることはできない」。夫が頑なに拒絶するのを見ると、妻は家の蓄えを持ち出し、近所に住む娘を妾にもらう決心をした。

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