中国人旅行者、3.6兆円を海外で贅沢品 「国内はフランスより7割高い」

パリの百貨店 買い物のために並ぶ人々(MARTIN BUREAU/AFP)

【大紀元日本9月11日】中国人旅行客が昨年、海外で購入した贅沢品が460億ドル(約3兆6千億円)に近い額となった。わざわざ海外で贅沢品を買うのは中国国内よりも安く手に入るためだが、莫大な額の資本が中国から海外に流出する問題が生じている。

国内華龍網によると、友人の間で海外ショッピングの達人と呼ばれている薛さんはヨーロッパから戻ったばかり。今回だけで6箱の荷物を持ち帰ってきた。これはすべて親戚や友人のために買ったものだという。ここ数年、家族が使う化粧品、ネックレス、宝石、バッグ、腕時計などはすべて海外で購入した物だと薛さんは話す。彼女のように、周りにいる友人の多くも、すでに中国国内では贅沢品を買わなくなったそうだ。

「特にヨーロッパは、ここ数か月はバーゲンセールシーズンだ。贅沢品や多くのブランド品はみなショッピングモールの1階か2階で大きな売場を設け、9割、8割、7割引きで販売している。5割引きは高く感じるくらいだ」

英ガーディアン紙は8月、中国人の海外での消費額が勢い良く伸びており、すぐにドイツや米国を超え、世界一になるだろうと報じた。世界ラグジュアリー協会(WLA)のデータでも中国人の贅沢品消費は、すでに世界のトップに躍り出ており、業界関係者は中国人旅行客の海外での高額商品購入は460億ドル(約3兆6千億円)に達していると推算している。

中国国内の報道によれば、中国の贅沢品価格はフランスに比べ70%、米国に比べ50%、香港に比べ45%前後高い。贅沢品にかかる税金には、6.5%から18%の輸入関税、17%の増値税(仕入れ金額×増値税税率)および30%の消費税があり、3つの税を合わせると最高で60%を超える税率になる。

このような高い税金が裕福な中国人の新しい消費の流れを作りだした。専門家は、中国の金持ちが海外で贅沢品を買うことに熱中している現象は、中国資本が流出することを招いているうえ、国内の贅沢品産業の発展に不利であると考えている。

(翻訳編集・坂本)
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