異文化体験を成功につなげるには

【大紀元日本1月15日】最近の日本の若者は内向的だと言われるが、未知の世界に刺激を求め、異文化に触れてみたいと思う人は少なくないだろう。異国での経験は成長の糧にはなるが、その経験を後の人生の成功につなげる要因は何だろうか? 最近の研究では、「二文化併存(biculturalism)」がカギだという結果が出ている。学会誌『人格と社会心理』(Journal of Personality and Social Psychology)に最近発表された。

テルアビブ大学のカーミット・タッドモア (Carmit Tadmor)博士などの研究グループによると、外国での長期滞在のメリットを得る秘訣は「二文化併存」。つまり母国の文化と滞在国の文化の両方を統合させ受け入れることだという。それによって多様な視点や複雑な考え方を培うことができ、専門的な分野で創造性を発揮できるからだ。

ヨーロッパまたはアメリカの経営学修士コースに在籍し外国居住の経験を持つ学生を対象に調査したところ、母国と滞在国の両文化を同時に包容した被験者は、雄弁、柔軟、斬新、革新の面で優れていた。

別の調査では、アメリカのカリフォルニア州に住むイスラエル人を対象に「二文化併存」は職場でどのようなメリットをもたらすかについて調べたところ、「二文化併存」を包容する被験者の方が、昇進する割合が高く同僚の評判が良いという結果が出た。

しかしタッドモア博士によると、「二文化併存」を本当に実現することは容易なことではないという。二つの文化を統合するためには矛盾を乗り越えなければならないからだ。

「同胞のコミュニティで楽に暮らす道を選ばず、2つの文化のせめぎ合いにより生じる内面の葛藤を繰り返し乗り越える経験こそが、豊かな創造性を生み出し、最高水準のプロの技能を身につける支えとなる」と同調査の研究者は語る。

(翻訳編集・緒川)