12年ぶり発表の「偽りの数字」 所得格差統計は「合法収入」のみか

【大紀元日本1月21日】中国国家統計局は18日、国民の所得格差の程度を示すジニ係数を発表した。2012年の同数字は前年比0.003減の0.474で、貧富の格差が改善されたという。一方、今回発表された数字は民間の調査結果と大きく乖離しており、専門家らは疑いの目を向けている。

ジニ係数は0から1の間の数字で、数字が大きいほど貧富の差が大きい。0.4は警戒線とされており、それを超えると紛争が多発するという。中国では公式のジニ係数の発表は12年ぶりで、2003年から2012年までの10年間の数字がいっぺんに発表された。

今回の発表によると、この10年間の数字は2003年の0.479から小幅に上下を繰り返し、2008年のピーク値0.491に達する。それから下降線をたどり、「国民生活を改善する力強い措置が功を奏した」(統計局局長)という。

一方、昨年12月に発表された中国人民銀行と西南財経大学が共同で行った調査結果では、2010年の中国のジニ係数は0.61とされており、今回の統計局の0.481と大きく乖離している。

当局の数字と民間との差について、著名な経済学者・程暁農氏は、前者は合法的収入のみを統計し、グレー収入は算入されていないからだと指摘する。中国国家経済研究所の王小魯・副所長が2010年に発表した報告書の中では、上位10%の高所得者層は、公にされていない莫大な収入があり、彼らの平均世帯収入は政府の統計値の3倍以上に上ると明らかにしている。また、2007年の中国改革基金会がまとめた報告によると、所得が上位10%の平均世帯収入と下位10%との格差が約55倍になっている。

「童話でもここまででっち上げることはできない」。上海の中欧国際工商学院の許小年教授はミニグログ(微博)でこのように批判し、「偽りの数字だ」と一蹴した。

(翻訳編集・余靜/張英)

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