乾隆帝が励行していた養生法

【大紀元日本2月25日】88歳で死去した清王朝の乾隆帝(1711―1799)は、歴代皇帝の中でも珍しく長寿だった。長生きできたのは、さまざまな要因があったと言われているが、その一つに「九常養生法」が挙げられる。「九常養生法」とは常に行う九つの養生運動法のことで、歯常叩、津常咽、鼻常揉、睛常転、面常搓、足常摩、腹常旋、腰常伸、肛常提がある。

 1、歯常叩

 歯常叩とは上下の歯を常に音を立てて噛み合わせること。こうすると歯の揺らぎや脱落を防止し、顔面の筋肉の血液循環を促進する効果がある。

 方法は、唇を軽く閉じて、リズミカルに上下の歯を叩く。先ず奥歯を60回叩いて、さらに前歯を60回叩く。毎日朝昼晩3回実行する。

 2、津常咽

 津常咽とは、唾液を常に飲み込むこと。唾液を飲み込むことは、歴代の養生学者が推奨している。これによって皮膚と粘膜の潤沢が良くなり、美容効果もある。古代に「唾液一口は千金にも値す」という言葉がある。

 方法は、足をあぐら座に組み、或いは椅子に腰かけて、全身をリラックスさせて雑念を排除し、目と口を軽く閉じて、舌で口蓋を舐め、口の中に唾液が溜まったらゆっくりと飲み込む。これを9回繰り返す。毎日朝昼晩3回実行する。

 3、鼻常揉

 鼻常揉とは、常に両手で鼻を揉むことである。鼻粘膜は吸い込む空気中のごみや微生物を食い止め、冷たい空気を温め、乾燥した空気を加湿する効果がある。鼻の按摩によって血液循環を促し、鼻粘膜の機能を良い状態に維持して鼻や呼吸器疾患を予防することができる。

 方法は、両掌を20回こすり合わせてから、右掌を鼻に当てて軽く20回ほど揉む。これを3回繰り返す。それから両掌の親指側をこすり合わせて、熱くなったら、鼻の両側に当てて上下に100回摩擦する。朝晩2回行う。

 4、睛常転

 睛常転とは、常に目を回転させることである。漢方医学では、目は12経絡の集まるところである。したがって目を運動させることは、目の疲労解消や視力の維持に良いだけでなく、全身の経絡運行にも良い影響があり、脳の循環や精神的な緊張の緩和にも効果がある。

 方法は、両手の親指と人差し指で、耳たぶ(目のツボがここにある)を挿んで軽く押さえながら眼球を時計回りと逆時計回りに各9回回転させる。3回繰り返し、朝晩2回行う。

 5、面常搓

 面常搓とは、常に掌で顔をこすることである。こうすることによって、顔面の血液循環を改善し、顔面神経麻痺、顔面のシミ、顔面神経痛などを予防する効果があり、長期に続ければ顔面の老衰を防止し、シワの発生を遅らせる効果もある。さらに顔面部は陽明胃経の通り道であるため、顔面部の按摩は胃腸機能の改善も期待できる。

 方法は、両掌を熱くなるまでこすった後に、顔に当てて、左、上、右、下の順に20回まわしてから、反対方向にも20回まわす。朝晩行う。

 6、足常摩

 足常摩とは、常に足裏を按摩することである。中国古来の健康法で、宋朝の文学者である蘇東坡(そとうば)も足裏按摩法を実行していた。古代、民間では「金持ちの人は人参(補養薬)を食べ、貧しい人は足裏をこする」という言い方があった。足裏には腎経が流れており、足裏部の按摩により腎気を強くさせる効果がある。腎気は足腰の強さや生殖機能、脳代謝、老化などに関連しており、養生法として腎気の強さを維持することはとても大事である。

 方法は、寝る前にお湯で足を温めてから、掌で足裏を前後に擦る。左右各120回行う。

 7、腹常運

 腹常運とは、腹部を按摩する方法である。この按摩法によって、消化器官の機能改善、消化系の疾病予防に効果がある。漢方医学では、消化系(脾胃)は「後天の本」である。つまり、消化系から摂りいれた栄養は、命を支えるために不可欠なものである。消化系が健康であれば、他の臓器機能の健康維持や病気からの回復に良い影響がある。

 方法は、寝る前に両掌をこすり合わせて熱くなったら、両掌を重ねてへそを中心にして時計回りに腹部を100回按摩する。空腹の時や満腹の時にはやらないように。

 8、肢常伸

 肢常伸とは、常に四肢を伸展させることである。これによって、新陳代謝の促進、四肢運動機能の維持、全身の循環改善などに効果がある。

 方法は、ラジオ体操などの運動法を実行すればよい。

 9、肛常提

 肛常提とは、常に肛門を収縮することである。これによって、肛門や直腸の病気予防、前立腺肥大の抑制、大小便失禁や子宮下垂の予防などに効果がある。

 方法は、全身がリラックスした状態で、吸気時に5秒間肛門を収縮させ、呼気時に5秒間肛門を緩める。繰り返し15回行う。朝晩実行する。

 

(翻訳編集・雪珍)

 

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