中絶3.3億件 中国の一人っ子政策で 「4億人の増加を回避できた」と当局

    (Phtoto/AFP)

【大紀元日本3月19日】中国で過去40年間に行われた中絶が3億3600万件、不妊手術が1億9600万件、避妊具の挿入が4億300万件に上っている。英紙フィナンシャル・タイムズが15日、中国衛生部(省)のデータとして伝えた。

 中国は1971年から人口抑制に取り組み、1979年から一人っ子政策を開始した。衛生部のデータによれば、この40年間の中でも1982~92年の間で中絶のピークを迎え、毎年約1000万の妊婦が中絶している。1983年と1991年ではその数字がさらに1400万に跳ね上がっている。また、一人っ子政策の緩和を求める声が高くなった90年代後半以降も数字の減少がそれほど見られず、毎年約700万件の中絶、200万件の不妊手術、700万件の避妊具挿入が行われている。中絶の氾濫で現在、男性が女性より3400万人多いという深刻な社会問題も起きている。

 今回のデータは衛生部が1月に纏めたもの。中国当局が一人っ子政策による中絶・不妊手術の件数を公表したのは初めてで、政策の緩和をほのめかしているのではないかとの観測があった。また、一人っ子政策を担当する国家人口計画出産委員会が、閉幕したばかりの全人代で格下げになり、衛生部に統合されことも緩和のシグナルとしてみられていた。

 だが、副首相に就任したばかりの馬凱氏は「一人っ子政策の堅持」を強調。省庁再編を担当する中央機構編成委員会弁公室の王峰副主任も統合発表の記者会見で「緩和どころか、強化するのみだ」と一人っ子政策の国策が変わらないことを言明。省庁の統合は、第2子の出産を全面的に認める向きを示すのではとの記者質問に対し、王副主任は「多分ありえない」とあらためて否定した。一方、一人っ子政策の実施で中国政府は、「4億人の増加を回避できた」(フランスRFIラジオ)としている。

 中国の労働人口(15~59歳)は2012年末で前年末比345万人減と初めてマイナスとなった(国家統計局)。労働人口の減少は「世界の工場」としての中国の優位性を脅かし、経済減速の要因にもなる。また、「未富先老(豊かになる前に老いる)」現象が進む中国では、社会保障制度の不備も社会不安を引き起こす要素の1つとなっている。

 

 

(翻訳編集・張凛音)

 

 

 

 

関連記事
中国北京市では4日、当局の諮問機関にあたる中国人民政治協商会議(政協)が開幕された。中国メディアによると、政協の男性委員は会議で、少子化の対策として30歳以上の未婚女性の出産を認めることを提案した。
中国国家統計局は17日、2021年の全国出生数は1062万人で、5年連続の減少と発表した。また、昨年の出生率(人口1000人当たりの出生数を示す比率)は7.52人と1949年の共産党政権樹立以来の最低水準を記録した。
近年、中国の少子化問題は深刻になる一方のようだ。地方政府はこのほど、子育ての負担を軽減するとして優遇融資策を相次ぎ打ち出した。中国では初の試みとみられる。
中国は日本よりもはるかに深刻な少子化に直面している。中国共産党政権は7月20日、夫婦1組につき3人まで子供をもうけることを認める方針を打ち出したのに続き、出産を奨励するさまざまな政策を導入する文書を正式に発表した。中国共産党(中共)は、急速に進む少子高齢化による経済成長鈍化などへの危機感を抱き、産児制限を緩和する方針だ。
6月16日未明、ファン・ビンビンが19歳年下の弟・範丞丞(ファン・チェンチェン)の誕生日を祝いました。21歳の範丞丞は成人となりましたが、範氷氷は彼を「坊や」と呼んでいました。