周永康氏、すでに軟禁か 薄煕来被告の供述に「政法委の指示」

周永康氏と調査専門グループの責任者とされる中央規律検査委員会の劉建華主任(大紀元合成)

【大紀元日本9月4日】香港や海外メディアが2日、中国前指導部の主要メンバー周永康氏が汚職などの容疑で取り調べを受けていると相次ぎ報道し、行動の自由が制限され当局の監視下にあると伝えた。

香港紙アップル・デイリーは2日、当局の内部情報として、周氏を取り調べる専門グループがすでに立ち上げられ、周氏はすでに当局の監視下に置かれていると伝えた。

ニューヨーク・タイムズ紙も2日、上層幹部からの情報で、調査専門グループの設置を確認し、「周氏の息子と側近数人が身柄を拘束され、あるいは聴取を受けた」と報じた。

周氏周辺の関係者に対する取り調べは、昨年11月の党大会以来、単発的に起きていたが、薄煕来被告の公判直後から、関係者の拘束が相次ぎ、周氏への包囲網が一気に狭まった。

薄被告の公判での証言は、周氏の一連の事件へのかかわりを浮き彫りにしている。元側近の王立軍受刑者の亡命未遂事件の処理について、薄被告は法廷で、当時の「中央政法委からの6つの指示」に従って行動したと語ったことを香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが、傍聴席にいた人やメディア関係者など3人からの証言として伝えた。

公判の実況を伝えるミニブログ(微博)でも一時、「王立軍の偽診断書(王の離職原因は精神的問題とされていた)については、薄煕来は繰り返し、上司の指示に従ったと強調した」と書き込まれていた。だが、この部分は後に、削除されていた。

薄被告は当時、政治局委員であり、彼の「上司」となり得る者は政治局常務委員しかいない。また、薄被告が供述した「中央政法委」を取り仕切っていたのは、常務委員の周永康氏。周氏の名前は公判で明言されていないものの、「中央政法委」と「上司」という2つのキーワードから、薄被告に指示したのは周氏しかいないことが明らかだ。

周氏は薄被告と密接な関係にあり、薄被告が失脚する直前の2012年3月の全人代でも、薄被告への支持を公に表明していた。薄公判後に加速した周氏への取り調べは、こういった供述とも関係があるとみられる。

米国の軍事情報サイト「ワシントン・フリー・ビーコン」は王受刑者の亡命未遂事件後、米政府関係者からの情報として、王受刑者は、米総領事館に周氏と薄被告による政変計画を暴露し、その証拠資料を渡したと報じていた。薄被告の全面否認に危機感を覚えた習指導部は、薄・周に連なる対立勢力の一掃により一層、本腰を入れる構えだ。

(翻訳・叶子、編集・陸遙)
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