動静を伝えられた周永康前政治局常務委員 専門家「無事とは言えない」

【大紀元日本10月4日】失脚の噂が絶えない中国共産党の周永康前政治局常務委員(前党中央政法委員会書記)は1日、母校である中国石油大学を訪れたと伝えられた。汚職疑惑をめぐる調査が8月に始まったと報じられてから、初めて公の場で姿を見せた同氏について、「追及を免れた」との見方がある一方、「無事とは言えない」との分析も出ている。

幹部の腐敗を取り締まる党中央規律検査委員会は、中国石油天然ガス集団前会長らの石油利権をめぐる汚職を追及しているほか、周氏の元側近らも調査対象になっている。周氏の逮捕は時間の問題だと言われている中、今回の母校訪問は同氏の無事を意味するとの観測が出ている。

しかし、香港政論誌「前哨」10月号は指導部の核心人物に近い情報筋の話として、8月27日に開かれた党中央政治局の会議で周氏の規律違反調査の合意がなされたと報じた。さらに、調査は王岐山副総理が主導し、「徹底的に調査することと、社会や党員への影響を最小限にとどめる」などの方針も決まったという。

香港メディアも北京からの情報として、周氏の母校訪問は上層部の特別許可を得たものだと報じた。まだ調査の段階にあるため、ある程度の自由が許されているとも伝えた。同情報源は昨秋開催の第18回党大会後、同氏が軟禁状態にあるとも明かした。

薄煕来前重慶市党委書記は失脚する直前まで、全国人民代表大会(国会相当)に出席するなど公務をこなしていたことから、今回姿を見せた周氏が「安全着陸」したとは断言できない。

周氏の母校訪問は中国石油大学の公式サイトによって伝えられ、中国各メディアは報じていない。さらに、訪問に同大学の校長や政府高官は同行していなかった。

ニューヨーク市立大学の夏明教授(政治学専門)は米政府系放送局ラジオ・フリー・アジアの取材で、周氏が掌握していた石油部門と政法部門(司法、公安などの部門)と要職を歴任した四川省、遼寧省、北京市から関係者が相次ぎ逮捕されたことから、決して無事とは言えないと述べ、現在上層部は「この2つの部門と3つの省市を中心に調査を進めている」と分析した。

(翻訳編集・高遠)
関連記事
5月13日、フィリピン政府はビデオを公開し、中共が疑念を持たれながらも、南シナ海におけるフィリピンの排他的経済水域内の島々や礁に土砂を投入し、埋め立て活動を行っていると批判しました。フィリピンは船を派遣し、中共の動向を監視している状況です。
5月5日に行われたパナマ大統領選で、ホセ・ラウル・ムリーノ・ロビラ(José Raúl Mulino Rovira)氏はサプライズ当選を果たしたが、これはバイデン政権に影響を与える可能性がある。 バイデンの綱領には、移民がアメリカ南部国境に侵入するのを防ぐためのダリエン地峡(2つの陸塊をつなぎ、水域に挟まれて細長い形状をした陸地)の閉鎖が含まれている。
米海軍と台湾海軍が4月に西太平洋で合同軍事演習を行なったと、ロイター通信が14日に報じた。台湾国防部の報道官は同日の記者会見で「海上衝突回避規範に基づき、通常の訓練を行なった」と発表した。
豪州シドニーのシドニー国際水泳センターで13日、ソーラーパネルが炎上し、数百人の学生を含む2500人以上が避難した。ニューサウスウェールズ州消防救助隊が出火の原因について調査している。
8940億ドルの2025会計年度国防予算を議会が今後数週間で審議する予定だ。ロバート・ピーターズ氏は、ロシアの戦術核兵器の優位性は「最も緊急の注意を要する」と述べた。