【評論】相手にしないことは上策

【大紀元日本11月27日】中国が23日、東シナ海に防空識別圏を設定したことで多事多難の極東情勢に新たな変数が加わった。日本のみならず、アメリカ、台湾、韓国、オーストラリアなどからも抗議や反発の声が相次いだ。そして、25日夜、米軍B52戦略爆撃機2機が中国の設定した防空識別圏を飛行し、中国の挑発に立ち向かう形となった。この行動に対し、中国側はいまだに反応がない。日本政府の要請に応じ、全日空、日本航空両航空会社も27日、中国側に飛行計画書の提出をやめることを発表した。北京政府の挑発はかつてない門前払いを食らっただけでなく、米国に「逆挑発」までされている。

中国政府の防空識別圏設定の狙いが尖閣諸島の主権の主張を強めることにあると思われているが、実際のところ、共産党政権が解決できない巨大な国内危機に臨み、極東にいざこざを引き起こし、国民の視線を国外に逸らすのが真の目的であろう。これまで日本は中国政府にとって、非常に都合のいい存在であり、国内で解決できない危機に臨むたびに尖閣諸島、教科書、靖国神社問題を持ち出し、国民の共産党政権への怒りを日本に転嫁していた。この策略はまた、しばしば奏功した。日本はいつも真剣に中国共産党(中共)の遊び相手となり、中共にとって日本ほど都合のいいカードはない。今回の事件でも、中国政府が防空識別圏を設定することを発表した直後に、全日空と日本航空の両社は中国政府に飛行計画書の提出を決定したが、これは中国国内で大きく報道された。

しかし、今回はアメリカが率先して中共の投げ出したボールを受け止め、スマッシュを打った。日本は官民一致で中共の設定した防空識別圏を無視することにした。これはまさしく日米同盟の絶妙な共同演出だ。今回の対応は日本社会に非常に大事なメッセージを伝えている。今まで中共が虚勢を張るというやり口をしばしば使い日本を利用してきたが、実際のところ中共は張子の虎に過ぎない。これからも中共がまた尖閣諸島や、教科書、靖国神社問題を用いて日本を利用すると考えられるが、相手にせず、堂々と日本の主張をすればいい。中共が防空識別圏を設定した今回の事件は結局、日本国民に自信を持たせることになり、中共のならず者の本質を一層認識させることになった。

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