【特別報道】「610弁公室」トップが失脚 江沢民一派の裁きは間近

【大紀元日本1月8日】中国共産党規律検査委員会は12月20日、「610弁公室」の責任者、公安部副部長(次官)の李東生氏を調査していると発表し、5日後の25日、国営メディアはその全職務の解任を公布した。法輪功への迫害を率いてきた江沢民一派にとって、このことは痛烈な一撃であり、意味深なメッセージでもある。現指導部及びその高官は、一派が発動した迫害の罪をこれ以上隠したくない証であり、国民の望みでもある。

 李東生案件でもっとも注目されたのは、当局がその兼務の役職「共産党中央邪教問題防範・処理指導チーム」の副責任者、弁公室(中央610弁公室)の主任に言及したこと。共産党中央政治局の常務委員、中央政法委の前トップ周永康氏、羅幹氏はかつて、それぞれそのトップを務めていた。周氏に対する調査もいま展開している。

 同指導チームは事実上、法輪功迫害を発動した当時の江沢民元国家主席が直に設立した、憲法と法律の制約を受けない、迫害を実行するための違法組織である。1999年6月10日に発足したその直属機関は「中央610弁公室」と名づけられた。

 そして、指導部の高官らが組織の歴代責任者を兼務してきた。同指導チームに李嵐清氏、羅幹氏、周永康氏、610弁公室には王茂林氏、劉京氏、李東生氏がいる。いずれも江一派のメンバーで、迫害の罪から逃れられない面々である。

 610弁公室は中央政法委を通して、公安、裁判所、検察、国家安全部、警察のほか、外交、教育、国務院、軍、医療の資源をも駆使して、迫害に加担させてきた。まさに、憲法と法律の権力を超え、恣意に国家資源を乱用している。法輪功迫害を全面的に執行する同組織は、江元国家主席に私物化された、ナチスのゲシュタポに類似する厖大な犯罪組織である。

 「中央610弁公室」のほか、各省、市、県、郷の地方政府や、各大学、政府役所、大手企業も同弁公室を立ち上げ、迫害の政策及び極秘命令を執行してきた。

 長い間、共産党政権はその存在に触れようとせず、法輪功問題はタブー視されている。指導部は迫害の恐ろしい裏幕を隠ぺいし、恐怖な真相が公になるのを非常に恐れている。

 江元国家主席が発動した、億万人の学習者に対するこの迫害は、現代中国社会の最も重大な事件である。

 これまでの14年間、「名誉を貶し、収入源を断ち、肉体を消滅」という国家テロリズムの政策を実施、厖大な人力、物力、財力を注ぎ込んで、全国総動員で、国政運営の重心を法輪功問題に偏らせた。

 1999年から、中国共産党政権は国際社会で法輪功に対する誹謗中傷、捏造を繰り広げていた。中国のすべてのマスコミが支配されて、国営中央テレビは一時期、毎日7時間、法輪功創始者の李洪志先生の説法を改ざんして報道し、捏造した関連ニュースを流し続けた。約2千社の新聞、1千社以上の雑誌、数百社の地方テレビ局及びラジオ局は総動員されて報道合戦を展開した。これらの捏造や、誹謗は国営新華社通信や、中国新聞社、中国通訊社及び海外の中国共産党メディア、大使館を通して、瞬く間に全世界に発信された。半年の間でこれらのメディアは海外で、法輪功誹謗中傷の記事を30万篇(回)以上発表した。大まかな統計によると、1999年7月20日からの5カ月間、李東生が主管する中央テレビの報道番組「焦点訪談」はゴールデンタイムで、法輪功に罪を着せる報道を70回以上放送した。1999年9月、ニュージーランドで開かれたアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議の席で、当時の江国家主席は立場を顧みず、法輪功誹謗の小冊子を各国首脳に手渡す一幕もあった。

 もっとも卑劣なのは、2001年1月にでっち上げられた天安門焼身自殺事件。当時、共産党中央政法委のトップ羅幹氏が主導するもとで、国営中央テレビの副台長兼党委員会のトップ李東生氏は法輪功に罪を着せるこの事件を大々的に報道し、全国民に対して法輪功への怨恨感情を扇ぎ立てた。後にこの完全捏造の事件は小学校の教科書にまで編入され、幼い子どもにも、法輪功に対する恨みを植えつけてきた。一方、国際メディアや国際団体が調べた結果、同事件は当局の自作自演であることが判明し、新唐人テレビのドキュメンタリー映画「偽火」はその証拠を詳細に分析し、2013年国際映画祭で受賞した。

 天地を覆うようなマスコミ宣伝のほか、共産党政権は数千万人の学習者に対して、さまざまな残忍な迫害を実施し、「拷問で死んでも自殺として処理」「身元確認は必要なし、火葬で処分」という内部通達を出した。こうした状況の中、看守たちは学習者に百種余りの拷問を講じた。連日の睡眠剥奪(半月以上に及ぶ場合も)、高圧電気警棒による電撃(生殖器をも含む)、赤く熱した鉄板を体に当てる、狼の牙に譬えられる突起物を多く取り付けた棒(狼牙棒)、ワイヤの鞭、棘だらけの竹竿で暴行、爪に釘を打ち込む、ペンチで体を抉り、爪を剥がす、筋骨が裂けるような姿勢で長時間の間縛る、籠のような小屋や汚水池に長時間にわたり投じ込む、「死人ベッド」(手足を大の字に固定するベッド)に長期間、縛りつける、鼻から管を差し込み唐辛子水や高濃度の塩水、排泄物を流し込む。毒虫や蛇に噛ませる、真冬に頭から冷水を浴びせ薄着のまま屋外に放置、真夏の炎天下に長時間放置、トイレの禁止、神経を破壊する薬物の投与、様々な性的虐待、強姦、強制中絶、臓器収奪・・・・・・。

 十数年間続いてきたこの残虐非道な迫害。その苦痛と被害は生身の肉体が耐えられるものではないし、いかなる人間の文字で形容できるものでもない。共産党が犯したその罪は、人間と神を怒らせて語り尽くせない。

 迫害を維持するために、莫大な財政予算も注ぎ込まれた。一説では毎年国内総生産の4分の1、ピーク時は4分の3に達した。

 そのほか、法輪功を反対させるため、全国民に洗脳教育を緻密に展開し、迫害の真相を知らない人々を巻き込んで、その良識を破壊してきた。この前例のない「真・善・忍」の信仰に対する迫害は、善良な中国人の魂を殺してしまい、これは全国民に対する迫害でもある。

 歴史上において、正しい信仰への迫害は幾度も起きたが、その範囲、深刻さ、用いる手段、資源の投入はいずれも今日の法輪功迫害には及ばない。

 古代ローマ帝国によるキリスト教への迫害も非常に邪悪だったが、その人数は法輪功の被害人数を遥かに下回っている。法輪功迫害は、約1億人が対象で、殺された人は数百万人に達し、そのうち、大勢の学習者の臓器は奪取された。これはまさに、この地球上の未曾有の罪悪だ。例え第二次世界大戦時のナチスもここまで悪事を尽くしていない。歴史を振り返っても、これほど大規模な世論宣伝を展開し、数百万人の軍隊、警察、国の機関を総動員して迫害に参加させる政権はどこにも存在しない。

 この平和な時期に、共産党政権は各国政府及びメディアに知られていながら、この前代未聞の迫害を実施し、しかも14年間続けてきた。

 その一方、正義の声と迫害の悲惨さはまったく正比例を成していない。この歴史上に前例のない正と邪の戦いでのこの現実は、ある意味では迫害そのものよりもっと残酷で、悲しむべきことである。そのため迫害の被害者は世を正し正義を貫くため、何倍もの犠牲を払うほかならないのだ。

 この迫害が中国社会にもたらした被害は文字で書きつくせない。崩壊した道徳を回復させるには、数世代ひいてはもっと長い年月が必要。法的秩序が乱れたため、社会の再建は難題だらけ。迫害に加担させられた無実の人々たちの未来の運命はどうなるのか。社会不安は生じるのか、迫害被害者が受けた様々な苦痛を、どのようにケアしカウンセリングするのか、人間と神々を怒らせた罪悪をどうのように徹底して裁くのか、どのような天災が降りかかるのか、未来の中国人はどのような災難に見舞われるのか。これらの諸問題はいずれもただ事ではない。

 すべての迫害は、江一派が直接陣頭指揮して、610弁公室が執行してきた。江沢民氏、曾慶紅氏、羅幹氏、周永康氏、薄煕来受刑者などの迫害の首謀者の罪を公にするほかない。彼らの罪は容赦できるものではない。

 この現実をはっきりとわかっている一派は罪の清算を行わせないため、政権の舵を取ろうと政変計画を実行しようとした。良識をまだ保っている人であれば、迫害の真相を知れば誰もが驚くはず。指導部に迫害の首謀者がいなくなれば、江氏を含む迫害の元凶たちへの審判はもうすぐ始まる。

 この千古未聞の冤罪と罪悪は、いかなる人も組織も背負い切れない。

 胡錦濤前政権及び習近平現政権は、迫害の悲惨さ、邪悪さ、暗黒さ、被害者の多さ、被害の状況をよく把握している。全国民ひいては全世界に影響を及ぼしているため、だれがこの責任を取れるのか。彼ら(胡・習両氏)もその罪を背負いたくない、背負う勇気もない。610弁公室のトップ李東生氏が解任されたのはこのことを裏付けている。現首脳と指導部の高官らが江沢民氏の罪にこれ以上に黙秘しないことを、多くの国民は切に願っている。

 学習者は数十カ国で、江沢民氏を含む首謀者に対する訴訟を起こしている。学習者を対象とする臓器狩りの組織犯罪を明かす活動も、国連のほか、アジアや、欧州、大洋州、北米、南米で行われている。国際社会の正義の力は結束されつつ、徐々に迫害に関心が向けられている。中国で大勢の国民が、迫害の真相を知った後、道徳と良識が目覚めて、共産党とその関連組織からの離脱を声明した。

 一昨年末に開催した共産党全国代表大会(十八大)以降に失脚した高官の大半は、法輪功迫害に加担した人物である。表向きは、指導部の権力闘争の結果だが、実質上は悪の報いで天罰であり、全世界の学習者が14年間絶えず迫害の真相を伝え、迫害を制する活動の結果である。

 迫害の真相がいったん公になれば、強い衝撃が引起こり、全国民は立ち上って迫害に反対するであろう。真相が明らかになる日は必ずやってくる。天は、悪の限りを尽くした江沢民氏、曾慶紅氏、羅幹氏、周永康氏らを断じて許すはずがない、数々の国家犯罪を犯した中国共産党をも容赦するはずはない。これは逃れられない劫難だ。しかし、現指導部及びその他の幹部らは一個人として良識を守り、正義を支持できれば、劫難を乗り越えることはできる。

 正義はよく遅れて訪れるだが、いかなる時も欠けることはない。法輪功迫害の罪悪は必ず清算される、断じて隠ぺいさせない。いかなる人の正義の行動も、歴史に刻まれる。

 

(翻訳・叶子)

 

 

 

関連記事
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]
上川陽子外務大臣は、パナマ在留邦人及び進出日系企業関係者と昼食会を実施した。日・パナマ間の経済分野における協力の可能性や課題、教育などについて、意見交換を行った。