中国不動産市場の衰退、来年まで続くも「折り返し点」はまだ=英銀バークレイズ

【大紀元日本5月15日】英銀行大手バークレイズが14日に発表したリポートによると、中国の不動産市場への悲観ムードは急速に広がっているが、「折り返し点」はまだ迎えていない。今の衰退傾向は2015年まで続くと同行はみており、2015年の中国の国内総生産(GDP)成長率予想も不動産市場の低迷で、7・4%から7.2%に下方修正した。

リポートでは「売れ残り住宅や値下げ販売、デベロッパーの窮状や不動産関連でのデフォルト(債務不履行)連鎖についての報道は毎点xun_?黷トいる」とし、不動産市場への悲観ムードは「急速に高まった」と指摘した。

2013年後半からの融資条件の厳格化や、供給過剰、デベロッパーの負債比率の上昇などで、不動産市況が悪化し続けたと同リポート。「この衰退傾向は2015年まで続く」と予想した。

一方、中国の一般家庭の負債率は低く、貯蓄率が高いため、不動産価格の「折り返し点」はまだ迎えていないと主張。「都市化プロセスで恵まれた所、外部からの移住を促せるほどの競争力のある都市は、持続した不動産需要があるだろう」

不動産市場が冷え込むなか、都市部では規制緩和の動きが広がっている。広西省南寧市は4月末、これまで市内での住宅購入が制限されていた地域住民が購入できるように規制緩和を実施した。安徽省銅陵市は、初回の住宅購入者に対する補助金といった措置を打ち出した。杭州や温州、無錫、天津などの都市も住宅購入の規制が緩和されるとの情報が出ている。

中国人民銀行(中央銀行)もこのほど、商業銀行に対し、住宅ローンの貸出ペースを上げるよう求め、住宅ローン金利についても、適切な水準に設定するよう要請した。「政府が容認できる不動産価格の下落は10%程度」。この下落幅を超えると、大手デベロッパーでも経営困難に陥るため、政府は何らかの措置を講じると同リポートは分析した。

(翻訳編集・張凛音)
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