中国富豪、NYで派手な慈善活動 批判の的に

【大紀元日本6月27日】今年1月はじめ、ニューヨークを訪れて、「ニューヨーク・タイムズ紙の買収を交渉する」と世間を騒がせた中国富豪の陳光標氏が16日、同紙に広告を載せ、1千人のホームレスを食事に無料招待し、全員に300ドル(約3万円)をプレゼントするという慈善活動を発表した。しかし蓋をあけてみれば、意外な展開となり、本来感謝されるべき陳氏は批判の的になった。

25日、ニューヨーク・セントラルパーク内のレストランには約束の千人ではなく、ホームレス250人を招いて昼食会が開かれた。場外では入場を拒否された人が続出し、現場は混乱状態に陥った。

一方解放軍の軍服を身にまとった中国人ボランティア数十人に案内されて席に着いたホームレスたちは、中国共産党のプロパガンダソングを歌わされた後、13年前の「天安門自殺事件」に参加した法輪功元学習者と自称する中国人女性2人が登壇し、集まったメディアに対して、「同気功愛好者グループに騙されて焼身自殺に参加した」と法輪功への批判を長々と続けた。

昼食会の後、陳氏の代理人は「現金9万ドル(約900万円)をホームレスの支援組織に寄付した」との理由で、事前に約束していた現金300ドルのプレゼントを参加者に渡さなかった。

「この大々的に宣伝された慈善活動の本当の目的は、貧困者救済ではなく、メディアを通して法輪功批判を全米に発信することではないか」との疑念を持ち始めたホームレスたちの怒りが爆発し、「だまされた」「操り人形のように都合よく利用された」と批判の声が飛び交った。

陳氏は今年1月にも、「ニューヨーク・タイムズ紙の買収を交渉する」と宣言し、その記者会見の席で上記の女性2人を登場させ、法輪功批判を繰り広げるという経緯があった。

米国の海外向け放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の当時の報道は「記者会見は用意周到に計画された法輪功批判の茶番劇だ」と評した。

この天安門自殺事件とは、2001年1月23日(旧正月の大晦日の日)、法輪功学習者とされる男女7人が天安門広場で自殺を図ろうとした事件のことである。当時、彼らは体にガソリンを被り、火をつけようとしたところ、近くにいた警官らがすぐに消火器で消火した。後に中国政府はそのうちの2人が死亡したと発表、国内外のメディアは当時、事件を一斉に報道した。

法輪功サイドは当初から、「インターネットでも閲覧できる法輪功の書籍には、殺生も自殺も禁じるとの内容がはっきりと明記されている」と、事件は弾圧を推し進める江沢民派による自作自演のもので参加者らは元学習者ではないと主張し、その背景をこう説明した。「学習者に精神異常者のレッテルを貼り、当時弾圧に反感を持つ国民に法輪功を敵視させ、弾圧を正当化するためである」

一方、陳氏はリサイクル事業で富を築き、江沢民派の支配下にあった国営中央電視台(CCTV)の宣伝・報道により、「中国の首富」「慈善活動家の第一人者」として全国に名を広めたが、「一部の慈善活動の事実関係は確認できない」と以前から疑いの声が浮上している。

中国国内メディアは前回同様、今回の陳氏のパフォーマンスを「売名行為だ」などと一蹴し、詳細を報道しなかった。

中国問題専門家は「この派手で下手な茶番劇を指図したのは恐らく、陳の親分である江沢民派に違いない。国内メディアが冷めた態度をみせたのは、一派はもう政権の主導権を失い、メディアをコントロールできなくなったためだ」と分析した。

(翻訳編集・叶子)
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