【道家故事】 商道

ある書生は度々科挙の試験を試みたが失敗に終わった。薄情な世間が嫌になり、書生は官職を諦め、俗世の名誉と利益を捨てて修行の旅に出た。

 人づてに聞いた山の洞窟に行き、道士に弟子入りしたいと申し出た。道士は書生をじろりと見ると、ひそかに喜び、彼に聞いた。「何を学びたいのだ?私は石を金に変える術、空を飛ぶ法、他の空間に入る道もある」。書生は迷うことなく真剣に答えた。「私はただ道を修めたいだけです」。そこで、道士は毎日彼に道を説き、彼は座禅を組み、禅定に入って修煉を重ねた。

 数年が経った。道士は書生を呼び、彼に言った。「私は壮大な天宮を建てたいが資金が足りない。君は昼に山を下り、繁華街に行って頬紅を売り、夜に座禅の修煉をしなさい」。書生は、弟子として師の言いつけに従うしかない。書生は師に聞いた。「私は頬紅を買うお金がないのですが、どこから手に入れたらよいでしょうか?」道士はひと山の石を指さすと、石は一瞬で数箱の上等な「頬紅」に変わった。師は石を金に変えることができるのに、なぜ自分は俗世に下りて、苦労して金を稼がねばならないのか、と書生は不思議に思った。しかし、いくら疑問があっても、道を修める者は師の指示に従うしかない。

▶ 続きを読む
関連記事
健康のために飲んでいる薬やサプリ、実は普段の食べ物がその効果を弱めたり強めたりしているかもしれません。グレープフルーツや緑茶、イチョウ葉など、身近な食品と薬の意外な相互作用を専門家の解説でわかりやすく紹介します。
春は牡蠣が最も肥える季節ですが、食べ方によっては体に重さや冷えを感じることもあります。にらやしょうがなどと組み合わせることで、春の気の巡りを整え、体にやさしい一皿になります。
「人生をやり直したい」と感じたとき、本当に必要なのはゼロからの出発ではなく小さなリセットかもしれません。環境、時間、習慣、情報、健康――日常を整える5つのシンプルな方法で、人生の流れを前向きに変えるヒントを紹介します。
食事をしたばかりで満腹なのに、なぜかおやつに手が伸びてしまう――。その理由は意志の弱さではなく、脳の仕組みにあるのかもしれません。最新研究から見えてきた「食べ物の誘惑に負けてしまう理由」と対策のヒントを解説します。
頭がぼんやりして集中できない「ブレインフォグ」。その原因は単なる疲れではなく、腸内環境や慢性炎症、生活習慣の乱れが関係している可能性があります。食事や睡眠、運動の見直しで改善が期待できる対策を専門医の視点から解説します。