【道家故事】 商道

ある書生は度々科挙の試験を試みたが失敗に終わった。薄情な世間が嫌になり、書生は官職を諦め、俗世の名誉と利益を捨てて修行の旅に出た。

 人づてに聞いた山の洞窟に行き、道士に弟子入りしたいと申し出た。道士は書生をじろりと見ると、ひそかに喜び、彼に聞いた。「何を学びたいのだ?私は石を金に変える術、空を飛ぶ法、他の空間に入る道もある」。書生は迷うことなく真剣に答えた。「私はただ道を修めたいだけです」。そこで、道士は毎日彼に道を説き、彼は座禅を組み、禅定に入って修煉を重ねた。

 数年が経った。道士は書生を呼び、彼に言った。「私は壮大な天宮を建てたいが資金が足りない。君は昼に山を下り、繁華街に行って頬紅を売り、夜に座禅の修煉をしなさい」。書生は、弟子として師の言いつけに従うしかない。書生は師に聞いた。「私は頬紅を買うお金がないのですが、どこから手に入れたらよいでしょうか?」道士はひと山の石を指さすと、石は一瞬で数箱の上等な「頬紅」に変わった。師は石を金に変えることができるのに、なぜ自分は俗世に下りて、苦労して金を稼がねばならないのか、と書生は不思議に思った。しかし、いくら疑問があっても、道を修める者は師の指示に従うしかない。

▶ 続きを読む
関連記事
正月明けに動けないのは、怠けではなく、心のメンテナンスのタイミングかもしれません。【こころコラム】
ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が自身のInstagramに投稿した、愛犬「デコピン」の動画と写真が、いま世界中で大きな反響を呼んでいる。
ネオンのように鮮やかなピンクが森に舞う、オーストラリア固有のピンクロビン。写真家の情熱と偶然が重なり捉えられた奇跡の瞬間が、自然の驚きと喜びを静かに伝えます。思わず笑顔になる一篇です。
毎日見ている舌に、体からの重要なサインが隠れているかもしれません。色や形、舌苔から読み解く中医学の知恵と、現代研究が示す健康との関係をわかりやすく解説。
150ドルの美容液より、鍋に浮かぶ一輪の花――中世から人々の肌を支えてきたカレンデュラが、なぜ今も通用するのかをひもときます。