周永康側近の起訴相次ぐ 政変や臓器問題関与の政府情報も

【大紀元日本3月26日】中国前最高指導部メンバー周永康側近や元部下が相次いで起訴されている。習近平政権からは、共産党元幹部の薄煕来被告らと共に画策していたとされる政変計画や、政治犯からの臓器収奪などの関与をうかがわせる情報も伝えられ始めた。中国問題専門家は、周の起訴は間近に迫り、問われる罪は「当初の発表より重くなる」という見方が強い。

中国最高法院(最高裁)によると、周の側近で、2014年6月に党籍をはく奪され司法当局に送致されている中国石油天然ガス集団(国営石油大手)元副社長・王永春が23日に起訴された。容疑は巨額収賄、巨額不正蓄財、職権濫用。

同日、長年にわたり周の秘書を務めた後、抜擢された四川省政府高官の郭永祥も巨額収賄、巨額不正蓄財の容疑で起訴された。

約1週間前の19日、周と深い関係にある2人、中国石油天然ガス集団元会長の蒋潔敏(2013年9月調査開始、2014年党籍剥奪)、元四川省政府ナンバー2の李春城(2012年末調査開始、2014年党籍剥奪)が起訴された。容疑はともに巨額収賄と職権濫用だ。

一方、昨年末に収賄や職権乱用、機密漏洩などの容疑で逮捕された周の罪に関しては、最近、国家ぐるみの臓器収奪、通称「臓器狩り」に係る新たな情報が政権側から伝えられている。

中国衛生部(厚生省)元次官、中央政治協商会議の委員である黄傑夫氏が16日、香港テレビの対談番組で、長年公安・司法等を統括した中央政法委前トップである周が「死刑囚の臓器移植に深く関わっていた」と語った。様々な利権が絡んでいるため「非常に汚くて、得体の知れない領域になっていた」とも明かした。

大紀元は、法輪功学習者を始めとする収監者や死刑囚から臓器を強制奪取するという非人道的犯罪「臓器狩り」について伝えてきた。中国専門ジャーナリストらの調査によると、「臓器狩り」は政府と公安、軍が連携して行っていたと見られている。

また、最近発表された最高法院2014年度報告書には、周と四川省元トップで無期懲役刑が確定している薄は「法治を踏みにじり」「組織から逸脱する政治活動を進めた」との一文があった。周薄両氏を含む江沢民派メンバーによる習近平転覆の政変計画を指しているという見方は多い。

大紀元米国本部のコラムニスト周小強は「これらは習近平サイドが意図的に流した情報で、周の問われる容疑は当初の発表より重くなる可能性がある」と分析した。

中国政府に近い関係筋は、周は3カ月以内に起訴されるとみている。

(翻訳編集・叶子)
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