前主席元側近の令計画氏 党籍剥奪、逮捕へ 

【大紀元日本7月22日】中国の前国家主席・胡錦濤氏の最側近だった令計画氏(59)に対し、党籍剥奪と公職追放処分が下った。国営新華社通信が共産党の決定を伝えた。ならびに最高人民検察院(最高検に相当)も同日、令氏を逮捕立件し、捜査を開始すると発表した。

中国共産党中央政治局は、令氏の容疑について、巨額収賄、重要機密の大量取得、複数女性との不適切な関係を持ったなどを列挙したが、その詳細を明かしていない。

全国政治協商会議の元副主席と統一戦線部の部長だった令氏は、昨年12月末に「厳重な法律・規律違反」で公職を解任され、党中央規律検査委より調査を受けていた。新華社によると、今回、令氏に関する内部調査報告書を習近平総書記(国家主席)が主宰する政治局会議で審議し、上記の処分を決めたという。

令氏の失脚後、同氏が長らくトップを務めていた党中央弁公庁と、党中央統一戦線部の人事が大きく見直された。2017年の次期党大会の人事に向けて、習近平政権がその人脈を切り崩す狙いがあったとみられている。

中国国内ニュースサイト「財新網」によると、令氏は、周永康(前中央政治局常務委員、無期懲役刑で服役中)や薄熙来(元重慶市トップ、無期懲役刑で服役中)ら江沢民派と結託し、習近平政権に対抗していたという。また主要政府系メディアはたびたび、薄熙来、周永康、徐才厚(軍の元制服組トップ、今年年初に病死)とともに巨大な汚職ネットワークを築いていた、と報道した。

米華字ネットニュースサイト・博訊など一部海外メディアは、この4人について、60年代の文化大革命を主導した「四人組」になぞらえた「新四人組」と例え、政権奪還計画を企てていたという。

また一部メディアは、令氏は胡氏と同じ共産主義青年団(共青団)派だったが、この奪還計画を背景に周永康ら江沢民派(上海閥)に転向したとも伝えている。

党中央規律検査委によると、令氏は職権を濫用し、巨額の賄賂を受けとっていたという。そのため複数の非営利団体幹部を務めていた妻や、実兄で山西省政治協商会議副主席だった令政策氏など、多くの親族が汚職容疑で取り調べを受けている。

(翻訳編集・叶子)
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