中国、「スパイ行為」容疑で日本人2人逮捕 すでに数カ月も拘留中

 中国外務省の洪磊副報道局長は30日の記者会見で、同国内で「スパイ活動」をしたとして、日本人の2人を逮捕し、日本政府に連絡していたことを明らかにした。2人の名前や「スパイ活動」の詳細、拘束された時期・場所は公表していない。

 朝日新聞によると、2人はともに中国に居住していない民間人で、それぞれ浙江省温州の軍事施設近くと、遼寧省の北朝鮮との国境地帯で拘束されたという。

 菅義偉官房長官も同日、2人の逮捕を認めたものの、「日本は、スパイ活動は絶対にしていない」と強く否定した。また解放への働きかけについて「邦人保護の観点から適切に対応する」と述べた。

 2人は5月に逮捕され、現在も拘留中だ。日本政府筋によると、中国当局は2人とは別の日本人女性1人を拘束したが、すでに釈放したとの情報もある。

 習近平政権は、国内外からの社会を揺るがす不安定要素を取り除くために、取り締まりを強化している。昨年1月、中国版NSC(国家安全保障会議)と例えられる外交、安全保障、警察、情報部門を統合する「中央国家安全委員会」を新たに設置した。同11月には、国内の機密を探ったり、盗んだりする海外の団体・個人を逮捕できる法律「反スパイ法」を定めた。2人は、この反スパイ法・刑法を根拠にして、逮捕された。

(翻訳編集・佐渡 道世)

関連記事
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]
上川陽子外務大臣は、パナマ在留邦人及び進出日系企業関係者と昼食会を実施した。日・パナマ間の経済分野における協力の可能性や課題、教育などについて、意見交換を行った。