イメージ写真 (Lintao Zhang/Getty Images)

5中全会の開催が遅れた裏事情  内部意見の対立

中国共産党第18期第5回中央委員会全体会議(5中全会)は26日、例年より遅れて北京で開幕した。香港メディアは、共産党内部での意見の相違が大きく、北京当局は二度も会期を遅らせたと伝えた。

今年7月20日、中国共産党中央政治局は、10月に5中全会を開くことを会議で決定した。しかし、具体的な期日は10月12日まで明かされなかった。一方、前回の第17期5中全会の会期は同9月には公表されていた。

12日に開かれた会議で、政治局は、5中全会は10月26日~29日に北京で開催することを決めたと官製メディアは伝えた。

香港メディアの「動向」10月号によると、実は北京当局は二度も5中全会を遅らせたという。その原因は重大議題において大きな食い違いがあり、統一することができなかったから。

大きな差異について、例えば第13次5カ年計画の編成、経済の安定した発展、金融改革など。

報道によれば、中国共産党中央弁公庁は8月はじめ、10月10日の開催通知を内部に出した。しかし、9月5日には再通知として10月15日を伝えた。9月26日には、あらためて政治局の討論で5中全会の延期を知らせたという。

香港メディアによると、当局は5中全会を10月の最後の週に開催すると公表したが、内部の意見がまとまったからではなく、開催しなければ示しがつかず、大きな政治的な代価を払うからだという。そこで、習近平首席が23日までの訪英日程を終えた直後、慌ただしく開くことになった。

 江派粛清の分水嶺か

5中全会の会期が決まった直後、10月12日から14日にかけ、失脚した周永康・前政治局常務委員の元腹心で、収賄罪などに問われた6人の元党高官らへの判決公判または審判が行われた。

郭永祥・元四川省副省長、国有石油最大手「中国石油天然ガス集団」の王永春・元副社長、蒋潔敏・元国務院国有資産監督管理委員会主任と李春城・元同省党委員会副書記は、それぞれ懲役20~13年の判決が言い渡された。李東生・前公安部次官と冀文林・前海南省副省長は審判にかけられ、判決を待っている。

周永康は元最高指導部メンバーの1人で、江沢民派の重鎮と言われる。今年6月11日、収賄と職権乱用、国家機密漏洩の罪に問われ、無期懲役を言い渡された。

中国人民大学元教授の冷傑甫氏によれば、5中全会の前夜に、習近平当局が周永康の腹心を集中的に処分したのは、江派へ打撃を加えるためという。

香港メディアの分析によると、5中全会は習氏にとって江派勢力を粛清する分水嶺になるのではないかという。その前後に多くの人事配置、政策調整などが公布されるだろう。

ある海外メディアによれば、5中全会の議題は軍隊の改革案や中央軍事委員会委員の増員なども含まれるという。習氏の太子党仲間の劉源・総後勤部政治委員や張又侠・総装備部部長が新たに軍事委員会委員または軍事委員会副主席になるという説がある。

劉源氏は反腐敗運動で巨額横領の谷俊山・元総後勤部副部長や徐才厚・前中央軍事委員会副主席ら江派軍高官を摘発する上で重要な役割を果たしたと言われる。

9月3日、習氏は北京での閲兵式で30万人の軍隊の削減を宣言した。その後、軍隊の改革に関する伝聞が絶えない。例えば、軍隊の七大軍区は東南西北中の五大作戦区に変わり、軍総参謀部や総政治部などの四大部は消え、中央軍事委員会委員も今の10人から15人に増加すると伝えられた。

習近平、江沢民二大陣営が激闘する中国政局において、江陣営は敗北の一途を辿っている。あるアナリストは、軍隊の削減と軍の改革が進むにつれ、習近平当局はさらに軍の中の江派勢力を粛清し、軍隊の実権をより多く掌握するだろうという。

(翻訳編集・金本)

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