中国初の国産ジェット旅客機C919  中身は米国製部品

中国初の国産ジェット旅客機C919が11月2日、はじめて公開された。「完全自力で開発・製造する国産機だ」という中国政府の触れ込み付きだが、実際には機体の外殻を除いて、エンジンなど主要部品は米国などの外国メーカーが供給している。

中国政府と国有企業が出資した中国商用飛機有限責任公司(COMAC)が2008年から開発を進めてきたC919は、座席数168〜174席の狭胴型旅客機で、最大航続距離は5555キロ。

中央テレビ(CCTV)などの政府系メディアは「全国民の力を注ぎ、全世界の英知を結集した」とし、「中国は、大型旅客機の製造技術を持つ数少ない国の一員となった」「C919は、我が国が1970年代から追い求めてきた大型航空機開発という夢の新たな一歩だ」と称賛したが、重要な技術設備のほとんどがアメリカ製であることが明らかになっている。  

エンジンを提供したのは、米ゼネラル・エレクトリックと仏スクネマの合弁企業CFMインターナショナル。飛行制御システムや補助動力装置といった中枢システムは、米国の関連企業が供給、着陸装置はドイツのリープヘル社から技術提供を受けている。

中国は1970年代から、国産ジェット旅客機の自主開発に取り組んできた。1992年、国営の上海飛機製造有限公司(上飛公司)と当時の米大手航空機製造会社マクドネル・ダグラス社が40機のMD-90の共同生産の契約を結んだが、その一基あたりの製造コストは米直輸入のMD-90より1000万ドルも高く、巨額な赤字を出した。

(翻訳・桜井信一、編集・叶子)

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