新100元札、12日から流通が開始している (STR/AFP/Getty Images)

人民元のSDR採用に向けて「手を尽くす」中国当局

中国政府は、人民元を国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)に採用させるため、様々な策を取っている。経済力や軍事力で、米国と肩を並べようとしている中国の思惑がある。米経済学者ジョン・メイソン氏は、最近の中国金融政策と通貨の動向を読み解いた。

メイスン氏は11月8日、米金融メディアのザ・ストリートで、「中国当局は人民元をSDRに採用させるため積極的な動きを見せている」「現在、あらゆる手を尽くしている」と指摘した。

まず、中国の中央銀行である中国人民銀行は、人民元の兌換範囲を0.54%に拡大。これは2005年に人民元が固定為替相場を放棄して以来、最大の許可変動範囲だ。

▶ 続きを読む
関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。