【特別取材】習近平主席、民主化へ歩み=元北京大学助教授

海外交流サイト・フェイスブック(Facebook)の部分解禁、中台初の首脳会談、次期党後継者の指名制廃止のうわさ。最近の中国政策は歴代の共産党政権と異なっている。元北京大学ジャーナリズム学部助教授・焦国標氏は大紀元の取材に対し、「習近平氏は民主化へと歩み始めている」との見方を示した。

 フェイスブックの部分解禁

中国本土では利用禁止の世界最大ソーシャル・メディア、フェイスブックが最近、「利用できる」との声が中国国内ネット利用者の間で上がっている。ネット検閲封鎖を緩和したものと考えられている。

これについて、焦氏は「中国政局の安定さに相応して、部分解禁させるだろう」と見ている。また海外メディアへの封鎖について「比較的、国内情勢が落ち着いていれば、解禁される可能性もある」と述べた。

 台湾政策の変化

台湾政策についても、「良い兆し」が見えるという。一つは11月7日に実現した分断後初の中台首脳会談「習馬会」で、もう一つは来年予定されている、孫文生誕150周年を祝う大規模な式典の開催だ。

これまで共産党政権は、マルクス、エンゲルス、レーニン、スターリン、毛沢東の思想を党の『正統派』と見なしてきたが、孫文が含まれることはなかった。今までの党首は、自分の地位や正統性を守るため、台湾との関わりを避けてきた。しかし習近平氏は違う。以前の共産党政権ではありえなかった」と述べた。

焦氏は、中台首脳会談で、習氏と馬氏は所属するそれぞれの政党(共産党、国民党)について全く触れず、「民族」や「同胞」という言葉を用いたことに注目。「中台は兄弟」とも発言した習氏は「文化や民族の面に立って構想している」と指摘した。

そして、来年は蔡英文氏が台湾総統に当選すれば、ふたたび習氏との会談が行われると焦氏は予測した。

 

 習近平氏は歴代の共産党リーダーと違う

「習氏のやり方は全く新しい。共産党高層部のなかでも異彩を放っている」と焦氏は明言する。

中国国内のネットでは、習氏は、毛沢東時代から続いていた党後継者の指名制を廃止するとのうわさが流れている。実現すれば、大きな民主化への一歩となる。廃止となった後の党首の選出方法について「例えば、党内で選挙制の採用もありうる」と予測した。

習氏は今年8月、中国共産党の幹部養成機関・中国共産党中央党校で「国学」を学ぶことを強調した。国家の官僚として、中国伝統文化の教養を身に付け、仏教や神学のような人類の文化について知ることは非常に重要であると話したという。

 機が熟している中国 決断力があれば どんな政策の実行も可能

焦氏は、習氏の権力はほぼ安定しており、同時に国民の民意と共通認識の一致も、ある程度に達していると指摘。「一人っ子政策の廃止や台湾首脳との会談など、すべて機が熟していなければ成り立たなかった」と見ている。

現在、法輪功学習者の弾圧を指示した中国元国家主席・江沢民氏を告訴する動きが世界中で広まっている。「江氏の反人類的な政策に従った全ての政府高官が反腐敗の対象になるだろう」と江派の摘発を予測し、さらに「江沢民告訴は中国の歴史上の1ページとなる」と述べた。

(翻訳編集・山本アキ/佐渡道世)

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