中国伝統文化百景(12)

伏羲と「先天八卦」

1、「先天八卦」

一般的に、伏羲が画いたとされる「八卦」を「先天八卦」とし、文王が画いた「八卦」を「後天八卦」としている。「八卦」はまた「河図」と「洛書」とも関係しており、四者の関係については幾つの説があるが、ここでは主に伏羲の「先天八卦」を概観してみる。

「先天八卦」の先天とは普通、陰陽が未だに分けておらず、形質が未だに未成であることを言う。これに対し、「後天」は陰陽の二気が相互に交わり、万物ができることを指す。『易経証釋』は、「先天の不変に対し、後天の重きは変にあり。先天の不用に対して、後天の重きは要にある。道に由って言えば、先天は主であり、後天は従である。人事に由って言えば、皆後天にあり、先天に至ると所為は無し。」と述べている。また、「先天の易は常に静まり、後天の易は常に動く。しかし、静まる中には動くがある。故に先天は必ずや後天を生む。そして、動くにも静まるがある故、後天は先天を離れない。」とする。この解説により、「先天」と「後天」の相違点と相互関係は明らかである。

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