対ドルで下落する中国人民元 (ROMEO GACAD/AFP/Getty Images)

米ゴールドマンサックス 16年末1ドル=7元台と元安予測

中国人民元の下落が続く中、米投資銀行大手のゴールドマンサックスは1月8日、対ドルでの中国人民元の為替相場の見通しについて、今までの2016年末には1ドル=6.6元から1ドル=7元とドル高元安に、また2017年末には1ドル=6.8元から1ドル=7.3元にと一段のドル高元安に修正した。

また、豪投資銀行大手のマッコーリー銀行も人民元の6カ月見通しについて、以前の1ドル=6.6元から1ドル=6.9元に修正した。中国国内金融経済情報紙「華爾街見聞」によると、同銀行中国経済研究責任者の胡偉俊氏はこのほど中国外貨準備高の激減が人民元下落による大規模な資金流出を反映し、2016年ドル高が続けば、元の今の水準よりさらに5~7%下落するとの見解を示した。

一方、専門家の間では2016年の人民元が1ドル=7元の大台を突破するか否かについて意見が分かれている。英金融大手のスタンダードチャータード銀行はこのほど発表した『2016年世界市場展望』において、今年元の大幅な下落がなく、1ドル=6.6元で推移するとの見通しを示した。米金融大手のJPモルガン・チェース銀行のチーフエコノミスト朱海斌氏は9日、中国上海で開催されたフォーラムにおいて、2016年の人民元は5%下落すると発言した。

また中国国内市場調査会社の莫尼塔投資有限公司の研究報告書によると、米国連邦準備制度理事会(中央銀行、FRB)の連続の追加利上実施、中国国内経済の全面的な衰退(ハードランディング)、明らかな政策の過ち、あるいは人民元為替レート形成メカニズムに根本的な変化が起きることなどの重大な出来事がなければ、1ドル=7元の大台を突破することは難しいと示した。

スタンダードチャータード銀行の梁大偉氏は『2016年世界市場展望』において、専門家の間で人民元の動きについて意見が多く分かれることは今年人民元の変動がより激しくなることを意味し、個人投資家に対してリスク回避で一つの資本市場あるいは一つの貨幣に集中するのではなく、投資の分散を行うようにと提案した。

1月4日~8日までの一週間で、前週比で人民元は対ドルで約1.5%下落し、5年ぶりの低水準となった。人民元のオフショア市場では取引中、一時1ドル=6.75元とドル高元安になった。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]
上川陽子外務大臣は、パナマ在留邦人及び進出日系企業関係者と昼食会を実施した。日・パナマ間の経済分野における協力の可能性や課題、教育などについて、意見交換を行った。