北京、大気汚染の最悪レベル「赤色警報」基準を変更

北京の環境当局は最近、大気汚染レベルの悪い日が続くため、強制的に学校閉鎖や交通規制を行う緊急非常事態宣言「赤色警報」を発する基準を変更すると発表した。

現在は、3日連続で大気質指標(AQI)が200を超えた場合、「赤色警報」を発する。新基準では、AQIが1日で500、3日連続で300以上、4日で200以上にそれぞれ観測されれば、宣言されるという。

北京は2015年12月、大気汚染の危険予測レベルを示す4段階の警報のうち、最悪の「赤色警報」を初めて発令した。北京当局がこの宣言を出せば、学校は閉鎖され、自動車の走行がナンバープレート別に規制される。他にも工場や建設現場でも強制的に一部活動停止となる。

新基準は3月末に実施される。北京周辺の天津や4つの河北省の都市でも汚染警報を適応すると新華社は伝えた。

北京環境当局によると、北京政府は大気質改善のために165億元の予算を組んだ。資金の多くは、排気ガス量の多い旧型車両の交換と、暖房や電力などエネルギー源の石炭依存を減らすことに当てられるという。

中国で最も大気質の悪い北京は、山に囲まれた谷に位置していて、風が抜ける道が少ないことも大気汚染の一因とされている。これを解決するため北京都市計画委員会は2014年、郊外から都市へつなぐ1本あたり幅500メートルの「換気道路」を5本建設すると発表。しかし、都市建設の内部からも、建物の密集する北京に大道路を新たに建設することは困難との声が上がっている。

国際環境団体グリーンピースは、中国では毎日4400人が大気汚染に係る原因で死亡していると推計した。

(翻訳編集・佐渡道代)

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