【独占インタビュー】元老の次男、江沢民告訴を支持 臓器狩りを調査し公開すべき

中国共産党元老の一人で、故羅瑞卿・元中国軍大将の息子である羅宇氏は、習近平氏に対して中国の独裁政治を終わらせるよう呼び掛ける公開状を発表したことで注目を集めた。先日、大紀元の独占インタビューに応じ、現在起こっている江沢民への告訴の動きや中国の臓器狩り問題、今後の中国政局(政権)の方向性について語った。

羅宇氏(71)はかつて中国軍総参謀部の航空装備部の部長を務め、1988年に大校(上級大佐)になった。1989年、天安門事件での共産党による学生鎮圧に不満を抱いていた羅宇氏は、フランス航空ショーに出席し、そのまま海外に残った。1992年、当時の江沢民主席によって軍籍と党籍を剥奪された。

 法輪功学習者の江沢民告訴を支持

中国共産党から迫害を受けている法輪功学習者とその家族は2015年5月から、中国司法当局が5月1日から行政訴訟法を改めたのを機に、中国最高裁判所と最高検察庁へ、迫害を指示した江沢民・元国家主席を反人類罪で告訴するため、訴状を送っている。

法輪功迫害情報サイト「明慧ネット」によると、訴状の数は同12月で少なくとも20万に達した。

「法輪功への迫害は反人類の罪に当たる。私は法輪功の『真・善・忍』の理念に賛同し、法律の観点から見ても、信仰の自由は憲法で定められており、信仰のために収容されるというのはおかしい。私は迫害に反対し、告訴を全面的に支持している。全ての国民は最高裁判所・検察庁へ告訴する権利を持っており、これは完全に合法だ」と羅宇氏は語った。

中国の臓器狩りをテーマにしたドキュメンタリー映画が受賞したことや同関連の本「血まみれの臓器狩り」(Bloody Harvest, The killing of Falun Gong for their organs)についても羅宇氏はふれ、「江沢民が一体どのような事を行ったのか、きちんと調査し立案審査する必要がある」と話した。

現在の中国、最大の問題は、司法の独立と民主政治がないことであると話す羅宇氏は、司法独立の重要性についてこう話した。「台湾のように、陳水扁前総統でさえも、汚職で告訴されれば調査される。中国も同じように、法輪功学習者から告訴状が出ているので調査を行うべきだ。江沢民以外にも、遼寧省で臓器狩りを行っていた王立軍、大連の死体加工工場に携わっていた薄熙来に対しても調査すべきである。それも独立した司法によるもので、身内での調査ではだめだ」

 中国本土からの情報は矛盾するものが多い

中国政府は憲法による国家統治が必要だと話す一方で、憲法で定められた国民の権利を実行することが出来るのか、いまだに先が見えない。

先月、北京市の高等裁判所で高名な女性ジャーナリスト・高瑜氏と人権派弁護士・郭飛雄氏に対して行われた裁判の結果からみても矛盾点が多い。最終的に高瑜氏は釈放されたが、郭飛雄氏は懲役を言い渡された。しかし郭氏は法に触れるようなことはしていない。

「中国本土からの情報は矛盾だらけである。最高裁判所は20万人以上からの告訴状を受領したにもかかわらず、動きはみられない。憲法による国家統治をするなら必ず立案する必要がある。習近平にどのような障害があるのか分からないが、江沢民の法輪功迫害への調査がまだであるとしても、汚職に対しては間違いなく調査済みだ。江沢民をどのように処理するのか、習近平は考えているのかもしれない」と羅宇氏は分析している。

 

 臓器狩りによる移植産業は政府行為で、党・政府・軍の連帯責任

今年の中国共産党第十八回全国代表大会(十八大)の後、衛生部の黄洁夫元副部長は、(死刑囚の)臓器狩りによる利益チェーンの黒幕は周永康であると暴露し、全ての罪を周永康に被せようとしている。これに対して羅宇氏は「臓器移植というのは複雑な事であり、死刑囚の確保から、臓器の摘出、臓器の移植を全て周永康一人で管理するのは不可能。これは国家と政府の行為で、党・政府・軍隊の連帯責任だ」と話した。

また羅宇氏は、「黄洁夫に良心はないのか。こんな残酷な事をしたにもかかわらず罪を全て周永康に被せようとするなんて、黄自身は立派な犯罪者だ」「死刑囚の臓器を使用することは国際法で違法になる。ましてや、生きた法輪功学習者の身体から臓器狩りを行うというのは、ヒトラーがユダヤ人を虐殺したこと以上に残酷であり罪が重い」と強調した。

臓器狩りは反人類の罪に値するにもかかわらず、周永康の起訴状の中にこの罪状は書かれていない。

羅宇氏は臓器狩りについて、「死刑囚かそうでないかの問題ではなく、生きた身体から臓器を取り出すことが犯罪なのだ。それに『真・善・忍』に基づいて修煉することが、どうして死刑に値するのだろうか?」「1年間の中国の死刑囚数は多くて3000人だ。それに対して臓器移植の件数は年数万例に上っている。こんなに多くの臓器がどこから来ているのか、関係者自身もつじつまのあう説明ができない」と話した。

 臓器狩りに深く関与した将軍や病院責任者が失脚

習近平氏は、臓器狩りに深く関わった46人の将軍と複数の移植病院の責任者を逮捕した。彼らはいずれも法輪功迫害を追及する国際組織の犯罪リストに名前を挙げられている人物である。しかし彼らの判決罪状は全て「汚職」によるものとしており、「臓器狩り罪」と書かれる人は居なかった。臓器狩りは未だに中国で極秘とされているのだ。

これについて羅宇氏は「当局は江沢民や周永康らを、臓器狩りの罪で裁く決心がまだついていない。前に進みたいが、一歩を踏み出せずにいる。そう私は感じたので、習近平への公開状を書いた」と語った。

 中国の唯一の出口は段階的な民主化

習近平氏に希望を託していると語る羅宇氏は、一党独裁による迫害を経験した幼い時の習氏について語った。

「十歳年下の習近平が、文化大革命が始まり粛清対象となった両親が収容所に送られた時、まだ5歳で、親の身分のため居場所がなく、文化大革命の10年間に大変な苦労をした。高校卒業後にさらに農村へ送られた。多くの苦労を経験してきた習氏だからこそ、底辺の庶民の困窮を理解することができ、地方役人の不正腐敗も熟知している。また習氏は党の下層部で働いた経験もあり、官僚の汚職の仕組みにも詳しい」

「同じように迫害を経験した薄熙来は、権力を手にすると、独裁政治を利用して今度は他の人たちを迫害した」と羅宇氏は言い、習近平氏が薄熙来と違って、一日も早く「独裁政治体制を存続してはならない」という結論を出す事に期待しているし、中国の唯一の出口は、順序立てて徐々に民主化へ歩むことであると主張した。

大紀元、新唐人、エポックタイムズ(大紀元英語版)が先日、羅宇氏に合同インタビューを行い、その内容を6回シリーズで公開した。大紀元日本にも掲載する予定。

(翻訳編集・山本アキ)

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