【本音を生きる】 エコ・スローマラソン主催者 西 一(はじめ)さん
千葉県印旛市で毎年春に開催されるエコ・スローマラソンは、今年2016年の4月3日(日)で6回目を迎える。第5回大会がNHK首都圏ネットワーク(エコマラソンに外国人)やNHK WORLD(A MARATHON WITH MESSAGE)で紹介され、世界各地から参加申込が届いている。第6回大会全体では、訪日外国人が9割に達すると予想され、定員を500名に増やすなどの盛況ぶりだ。
— 外国人を引きつけていますね。西さんの世界観はどこからくるのでしょうか?
21歳のとき、1970年の大阪万博で、いろいろな方と話して(僕の言っている意味は分からなかったかもしれませんが)「わあ、世界と交流することはこんなにも楽しいんだ。こんなにも無限な可能性があるんだ」と世界への目が開けました。その年の夏、自炊をしながら、船や鉄道を利用し(宿泊代節約のためなるべく夜行列車)、ヒッチハイクでヨーロッパ十数カ国を回りました。 人生を旅として過ごす基盤となりました。
— 海外ではどのようなお食事をされるのですか?
玄米に刻み生姜とニンニク、ひじきで混ぜご飯にしたものが基本食です。これをおむすびにして、移動中に食べています。 梅干しももっていきます。暑さの中でもご飯を腐らせない、滅菌作用がありますから。玄米は世界中どこでも手に入り、コストパフォーマンスの限りなく高い食べ物です。
玄米は一つのユニバース、宇宙です。萌芽の部分は生命、生まれる部分です。それを体内に取り入れるわけです。自分の体に合っているし、美味しいなと感じます。
— 100歳までに1000回のマラソンに参加する目標を掲げられていますね。
京都の出身なので、天台宗の「千日回峰行」(7年かけて合計1000日を比叡山の峰々をぬうように巡る修行)に関心を持ちました。体力の限界をはるかに超え、私のおにぎりよりはるかにシンプルな玄米とわずかの漬物で荒業をやりとげます。人間の知らない潜在能力の象徴でしょうか。
僕の場合は、千日回峰行するわけでなく、60年かけて、街、村、山、氷河、砂漠、海岸、地球上すべての場所を1000回、ランナーとして駆けめぐろうとしています。 一日も休まずに走るのではなく、60年の間、2040年までに1000カ所を巡りたい。
真面目でもなんでもない。マラソンでもなんでもないよと言われるかもしれないけれど、楽しいからいろんなところに行って、さらにそこで最も遅かったランナーの記録を塗り替えます。あとからその大会で遅い人たちがいても「日本からこんな遅いのが来たから大丈夫です。あなたはまだましですよ」と、その人に安心してもらいます。こういう道を作っていきたいんです。
21世紀は大旅行時代だと思います。14〜15世紀の大航海時代とは違って一般の人が旅する時代です。最先端のツーリズム、旅行の形態を、僕は実践しようと思っています。乗り物は自分の体。燃料は玄米です。
— これまで一番印象に残ったマラソンは?
1995年のタヒチのモーレア(本島の隣の小さな島)マラソンです。島をほぼ一周するものでしたが、 こんなにきれいなところでのんびりできて、地元の人と交流できて、「ゴール来るなよ」とひたすら願っていました。 心が、魂が、蝶のように解放された一番楽しいマラソンでした。地域のボランティアの方によるポロネシアのダンス・グループがすごく魅力的で、僕もこんなダンスができたらいいなという風景でした。
「あなたマラソンしているのに大丈夫なの」と聞かれることもあります。後ろから誰も来ないから気づかなかったんですね。
(文: 鶴田ゆかり)
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第6回 ECO SLOW MARATHON INBA エコ・スローマラソン印旛
開催日:2016年04月03日(日)開催
申込締切: 2016年04月02日(土)
ホームページ:http://ecoinba.blogspot.co.uk/