北朝鮮の国外直営レストラン 制裁により経営難か
韓国メディアの報道などによると、国際社会が経済制裁を強めるなか、北朝鮮政府が外貨獲得の手段として国外で展開しているレストランの経営が厳しくなっている。
韓国の情報機関は、北朝鮮が国外に構えているレストランは約130店舗で、そのうちおよそ100店舗が中国にあり、年間の平均外貨収入は1億ドル(約113億7000万円)を超えて主要な外貨資金源だと推定している。
レストランはディナーショースタイルで主な顧客は韓国人観光客や韓国人ビジネスマン。美人揃いの北朝鮮人女性ウェイトレスによる歌やダンスのステージを鑑賞しながら食事を楽しむのが主流で、彼女らが客とダンスを踊ることもあり、場合によっては大物客を相手に売春するという。英フィナンシャル・タイムズが過去に報じたところによると、上海の平壌青柳館の女性店員は全員、北朝鮮の大学で高等教育を受けた才女である。
一方、このような北朝鮮国営レストランの売り上げは最近軒並み落ち込んでいるとみられ、北朝鮮料理の有名店、朝鮮玉流館北京店ですらも例外ではない。国際社会による対北朝鮮制裁が主要な原因とされる。
韓国政府は2月17日に、自国民に対し北朝鮮の外貨獲得に貢献しないよう、これらのレストランに行くことを控えるように求めた。韓国メディア、デイリーNKは2月28日、中国の消息筋からの情報として、中韓両国が北朝鮮に対し経済制裁を始めたことを受け、これまで主な顧客だった韓国人や対北朝鮮貿易関連の中国人官僚が他の店に流れていると報じた。
同紙の編集長の話では、これらの北朝鮮レストランの女性従業員の多くは現役女子大生か大卒のエリートだが、常に厳しい監視下に置かれて外出も制限され、給料がないうえ、ときおり、大金をばら撒いてくれる顧客を相手に売春を強要されている。
同紙が上海市民からの情報として伝えたところによると、同市閔行区にある北朝鮮レストランが2Fに構えている高級カラオケルームは実際には売春宿で、昨年末には従業員の逃亡事件が起きた。
(翻訳編集・桜井信一、叶子)