上海の高級住宅街(テムズタウン=泰晤士小鎮)で記念写真を撮る新婚カップル (Olivier CHOUCHANA/Gamma-Rapho via Getty Images)

「主権と国家の尊厳を破壊する」 不動産物件に洋風の名前を禁止=中国

   中国では欧風を基調にした不動産開発が流行し、外国の地名を冠した物件に人気が集まっているが、中国当局はこのほど、国内の不動産物件に洋風または「奇妙な」名前を付けないよう通達を出した。

   李立国民生部部長(長官)は22日、「主権と国家の尊厳を破壊する」もしくは「社会主義の核心をなす価値観と伝統的な道徳に違反する」とみなされる名前を不動産物件に付けることを禁止すると発表した。すでに「奇妙な」名前が付けられている建物は、今後審査を受けることになるとしている。

   それに対し、中国の不動産ディベロッパーは、洋風の名前を付けることが販売促進につながると困惑している。北京には「バンクーバーの森(温哥華森林)」という瀟洒な住宅が立ち並ぶ高級住宅街があり、上海には「テムズタウン(泰晤士小鎮)」と呼ばれる、その名の通り街の景観が欧風の建物で見事なまでに統一された住宅街がある。異国情緒あふれる風景は「自由で便利な外国生活」を夢見る中国人をひきつけてやまない。

   中国に住むある米国人の少女は、北京郊外のジャクソンホールリゾート(杰克逊霍尔渡假村)を訪れた時に驚きを隠せなかったという。彼女の故郷である米国ワイオミング州ジャクソンホールの様子がそのまま再現されていたからだ。

(翻訳編集・桜井信一)

 

関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。