康熙帝の玉璽がオークションに 権威の象徴「値段の付けようがない」
中国清朝最盛期の皇帝の1人、康熙帝の権力の証とも称される貴重な玉璽「敬天勤民」が4月6日、香港のサザビーズオークションに出品される。同社の専門家は、この皇帝印は他の印章と違う特殊な位置づけをされていた貴重なものであり、値段の付けようがないと述べている。
玉璽の正式名称は「敬天勤民檀香木異獸鈕方璽」。白檀製で正方形の印影を持ち「敬天勤民」の四文字が刻まれている。康熙帝は生涯で100前後の御印を持っていたとされるが、この玉璽はその中で最も重要性の高いものだったとされている。
サザビーズ香港アジア地区副代表で、同社の中国芸術品部国際主管及び主席でもある仇国仕氏は14日の記者会見で、この玉璽は書面に捺印される一般的な皇帝印と違い、康熙帝、さらには清朝の権力と国の統治理念を代表するものだと紹介し、権力の証と表現した。出品者は欧州の個人コレクター。非常に貴重なものであるため値段を付けることは難しいとしながらも、入札開始価格は5000万香港ドル(約7億2500万円)と示唆した。
中国史上最高の名君の1人とも称される康熙帝は清朝第四代皇帝。1661年、わずか6歳で即位し、15歳から親政を摂った。外征に熱心であったとともに内政にも力を注ぎ、国家支出を抑え、度重なる減税を行って庶民の負担を減らしたほか、数々の書籍を編纂させるなど、文化的にも大きな業績を残している。61年間の在位中に国家統一を成し遂げ、以後200年以上続く清朝の礎を築いた。
(翻訳編集・桜井信一)
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