中国人女性が「世界の勇気ある女性賞」受賞 授賞式出席叶わず
米国務省が29日に主催した2016年「世界の勇気ある女性賞」授賞式に、中国当局がパスポート発給を拒否したため、受賞者の1人、中国の著名な女性人権活動家で弁護士の倪玉蘭さん(56)が出席できなかった。
ジョン・ケリー米国務長官は授賞式の祝辞で、米国からの度重なる要求にもかかわらず、中国当局は倪さんのパスポートの発給に応じなかったと明かし、「彼女は中国人の正当な権利を守るために努力を重ねてきたが、そのために支払った代償はあまりにも大きい」と述べた。当局に身柄を拘束されて激しい暴行を受けたことで、下半身麻痺という重い障害を負っている倪さんが、土地強制収用により財産権を侵害された北京市民への支援を継続していることや、個人事務所、倪玉蘭人権事務局を設立し、中国全土の人権活動家や弁護士が相互にコミュニケーションを取るためのプラットフォームを提供していることを、長官が高く評価した。
米国務省は公式サイトで倪さんの授賞理由について「当局からの度重なる脅迫にもかかわらず、ひるむことなく人権擁護を続けた」と記している。
倪さんは29日に米国営放送ボイス・オブ・アメリカの取材に対し、1カ月前に受賞の通知を受けると直ちに授賞式に出席するための出国手続きを始めたが、北京の公安当局からパスポートの発給を拒否されたと語っている。
「世界の勇気ある女性賞」は、平和活動や人権擁護、ジェンダーフリー、女性の権利の向上といった分野で貢献した女性を賞するために、米国務省が2007年に設立した。今年は倪さんのほか、ロシア、スロバキア、バングラデシュ、タイ、イラク、スーダンなどの国々から選出された民主、人権女性活動家13人が受賞した。
(翻訳編集・桜井信一)
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