高木怜子さん(大江 撮影)

【本音を生きる】元バレエダンサー 高木怜子さん (下)

本音と建前の日本社会で本音だけで生きられるものだろうか。こんな視点から バレエ界60年の巨匠、高木怜子先生はぴったりの方だった。

ー だれにでも本音でぶつかっていたんですね

そう。 他人から怜子さんみたいに本気で、自分の本心でぶつかる人って珍しいよねって感心されます。損得ないんです。ダメになるならなったでいい。その時にどうしてダメになったのかと自省して今後どうするかはその時に考えればいいと思う。

ー 印象に残っている生徒さんは?

やっぱり森下洋子さんですね。基本を何回も何回もくりかえし練習することは、普通の人にはつらいものですが、それが彼女は全然苦じゃないんです。練習をすること自体が本当に楽しいようでした。その辺が他の生徒さんとは全く違っていました。できないことがあっても、悔しいんでしょうね、次の日にはできるようにしてきていました。感性も表現力もずば抜けていて、バレエの神さまがさずけてくれた本当の意味の天才なんだなと思いました。ああいう人は二度とでないかもしれませんね。

ー ご自分の人生を振り返ってどう思われますか? 

バレエには人間的に育ててもらいました。もしバレエをやっていなかったら、私、本当にひどい人間になっていたかもしれないなんて思うことがあります。最近、妹たちに「私の人生って本当にいい人生だったと思う。神様に感謝しているわ」と言ったら「自分の人生を素晴らしい人生だったと言いきれる人はいないよ」って言われました。山あり谷ありの人生だったけど。

神韻公演を鑑賞されたとき、どんな印象を受けましたか。

CGをうまく使って、ダンサーがあたかも画面の中に吸い込まれたように見えるようにしていたところ…あれには驚きました。とても舞台作りが巧みだと感心しました。ダンサーたちの踊りも一体感がありました。これはうわべだけ合わせてもダメで、練習に練習を重ね、ダンサーの呼吸が一緒にならないとでるものではないですね。よく訓練されている劇団だという印象でした。特に印象に残ったのは一人の男性で、躍動的で身体の芯から動いているような踊り方で、観た時にも余韻が残り、特に目を引きました。

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見ていて余韻が残るダンサーはなかなかいないと高木さんはいう。どうすればそのような抜きんでたダンサーになれるのだろうか? それはただ見えないところで血の滲むような練習を人より多く積み重ねるしかない。高木さんは生徒さんに、苦労した分は絶対どこかで報われる、努力は裏切らないという言葉を投げかけていたという。高木さんの伝えた本音は、今も多くの生徒さんの糧となり引き継がれている。

(文・大道)

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