ワクチン不安が起きている中国 香港が本土人の越境接種に制限
中国で違法ワクチン問題が波紋を広げる中、本土の市民が香港の病院でワクチン接種を予約するケースが急増したことから、香港当局は地元市民の利用枠を優先的に確保する措置として、外地の子どもに対する接種を制限することを発表した。
香港衛生署は、4月1日からワクチン接種を行う全31カ所の公的医療機関で、地元児童を優先するとの条件付きで、香港以外の地域の子どもに対するワクチン接種は、月合計120件を上限とすることを発表した。接種費用も香港市民より高額になる。
これに先立ち、マカオ政府は3月29日、政府の調達したワクチンは旅行客に提供しないという声明を発表した。
本土では現在、ワクチン不安が広がっている。中国メディアは近年、各地で違法ワクチンの接種が原因とみられる死亡、発達障害が多発していることを相次いで報じてきた。
こうしたなか、山東省食品薬品監督管理局などは3月、2011年から末端価格約5億7000万元(約99億2700万円)、髄膜炎や狂犬病など25種類のワクチンを違法に入手し、闇ルートを通じて中国全土の医療機関数百カ所に販売した元薬剤師の女性とその娘を摘発したことを発表した。これらの違法ワクチンは、規定の冷蔵保管ではなく常温下に保存されていたことから、専門家はワクチンとしての効果は失われている可能性が高く、危険性があると指摘した。
こうして5年間にわたり、大量の危険なワクチンが野放しにされてきたことに対し、中国全土に激震が走った。
(翻訳編集・桜井信一、叶子)
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