臨死体験

「殴った人は天使」壮絶な過去を許す男性

身体からゆっくりと抜け出し、上から自分を眺めていた―瀕死の状態から生還した人は、時に不思議な体験を語ることがある。光を見たとか、トンネルを抜ける感覚があったなど様々な報告があるが、それら「臨死体験」の科学的根拠については賛否両論だ。しかし、おおむね共通しているのは臨死体験者の人生観が根底から変わり、非常にポジティブになるということ。彼らは時に、常人の理解を超えた寛容さを見せる。

「死は始まりであって、終わりではない」と話すケン・バーンズさんは、これまでに2回の臨死体験がある。

バーンズさんは9歳の時、摂取した薬に極度に反応し、生死の境をさまよった。その時、彼は身体から抜け出して、両親とすぐそばに横たわる男の子、つまり自分の身体を見たという。「牧師がいて、最後のお別れの儀式をしていました。牧師の持っている本(聖書)を見て、あれは何の本なの、と両親に聞きましたが、彼らは聞こえないようでした」

2回目の体験は、より鮮明だった。49歳の時、彼は5人の見知らぬ男に野球のバットでメッタ打ちにされ、瀕死の状態に陥った。臓器不全と背骨の損傷という重傷を負い、集中治療室に運ばれた。

彼が「あの世」の生命と出会ったのは、その時だった。彼は背の高い賢人と会い、すべての生命の源である「創造の庭」に連れて行かれた。彼はそこで、他人に対する完全な許しと愛、寛容の心を学んだ。それは、これまでの自分に起こったすべての悲惨な出来事がポジティブに変化する瞬間だった。

バーンズさんは、犯人たち(まだ捕まっていない)を、全く恨んでいないと話す。それどころか、彼は犯人たちを天使だとまでいう。「彼らのおかげで、このような体験ができたのですから。彼らだって服を脱げば、背中に羽が生えているかもしれませんよ」

臨死体験には、全く痛みを伴わなかったと話すバーンズさん。彼は現在、ホスピスで死を迎えようとする末期がん患者たちに自分の体験を話し、彼らに寄り添いながら働いている。

(Epoch Times/翻訳編集・郭丹丹)

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