高度に発達した文明の痕? イカの不思議な石
ナスカの地上絵やマチュピチュなど、古代文明の痕跡を数多く残すペルー。その中でも有名なのが、ナスカから約200㎞の場所にある砂漠に囲まれた小さな村、イカという村で見つかった5万個あまりの不思議な石だ。石に刻まれているのは、外科手術や天体観測などを行う、高度に発達した人間の暮らし。恐竜と人間が共存している様子が描かれた石もあり、考古学者の首を捻らせている。
驚くほど発達していた? 古代人の生活の様子
先史文明は存在したのか
外科医だったハビエラ・カブレラ氏(Dr. Javier Cabrera)が地元の住民から石を買い取り、イカの石(カブレラストーン)の名を広めた。後に、住民たちが石は自分たちで偽造したものだと告白したことから、先史文明説は否定されるようになった。しかし、そこにはいくつかの疑問が残る。
第一に、一人で、あるいは少数の住民が、どうやって5万個もの石に複雑な模様を描くことができたのか。50年かけて5万個の作品を完成させるとすれば、毎年1000個の石に彫刻する必要がある。
第二に、住民がどうやって石に描かれている様子をイメージできたのだろうか。石には医療、宇宙観測、恐竜の成長過程や餌付けの様子などが詳細に描かれている。貧しい住民に、これらを描くだけの知識があったとは思えない。
第三に、当時、古代の遺物を販売することは違法だったため、刑事罰を逃れるために住民が自分で作ったものだと偽証した可能性がある。
イカの石の博物館を開設したカブレラ氏は、古代に天文、物理、医療に優れた先史文明が存在したという仮説を立てている。その文明社会に住む人間が、地球に大変動が起きることを予測し、耐久性のある石に彼らの知識を刻みつけたというのだ。
石に刻まれた彫刻の一部は、1万2000年以上前という測定結果も出ている。
(翻訳編集・郭丹丹)