米雇用統計が悪化、円高で日経平均下落 一時300円超下げ
米国労働省が6月3日に発表した雇用統計によると、5月の非農業部門雇用者数は3万8000人増だった。事前予想の16万4000人増を大幅に下回り、6年ぶりの低水準となった。
米雇用統計は経済状況を判断する重要な経済指標で、中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会(FRB)が今月14~15日開催予定の連邦公開市場委員会(FOMC)で、6月に追加利上げを実施するかどうかの判断材料でもある。予想外の悪い結果で、6月の追加利上げの可能性はほぼゼロになったとみられる。
同指標発表後、米経済の先行き不安感から、ニューヨーク為替市場ではリスク回避のドル売り円買いの動きが活発化した結果、ドル円相場は始値の1ドル=108円92銭から、安値の1ドル=106円51銭と円高が一気に進み、終値は1ドル=106円54銭だった。また、米商品先物市場では安全資産である金の価格が、買い注文殺到で前日比3.2%高となった。
労働省のトマース・ペリッツ長官は、米通信大手ベライゾンの従業員約4万人が5月に行った大規模なストライキの影響で、雇用者数を大幅に押し下げたと指摘した。
市場関係者は様子見で、今後の円相場は暫く円高基調が続き、1ドル=105~108円台の間で推移すると予測する。
6月6日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=107.17円で取引を終えた。
6日の東京株式市場の主要株価指数の日経平均は、急激な円高を嫌気して、輸出関連企業を中心に売り注文が集中し、始値は前週末比で268円91銭安の1万6373円32銭と大幅に下落した。また午前中の取引時間中、前週末比では一時下げ幅が300円を超えた。午後5時、日経平均は前営業日比62円20銭(約0.37%)安の1万6580円03銭で終値を付けた。市場関係者は、日経平均は短期間内では1万6000円~1万7500円の間で推移していくとみる。
(翻訳編集・張哲)