郭伯雄氏と息子の郭正鋼氏(大紀元合成写真)

軍制服組元トップが無期懲役に、頻繁に官職売りで金銭要求

中国国営新華社通信によると、中国軍事法院(裁判所)は25日、収賄罪で起訴されていた中国前中央軍事委員会副主席の郭伯雄氏に対して、無期懲役の判決を言い渡した。また判決では、郭氏の政治的権利を終身剥奪、個人資産はすべて没収、大将の階級も剥奪するとした。郭伯雄氏は、収賄罪で起訴された人民解放軍軍人の中で、中国共産党政権樹立以来の最高階級将校。

郭氏は今年4月5日に汚職と収賄容疑で身柄を拘束された。軍事検察院は調査を行い、郭氏は職務権限を利用し、直接、または郭氏の親族を通じて部下から多額な賄賂を受け取った代わりに、昇進などで便宜を図ったとした。しかし、郭氏が受け取った賄賂の金額についての公表はなかった。 

一部の香港メディアは中国人民解放軍高層指導部の情報筋の話として、郭氏が受け取った賄賂総額は約8000万元(約12億8000万円)だと報道した。また、香港紙「苹果日報」の4月の報道では、郭氏とその親族合計で約200億元(約3200億円)の賄賂を受け取ったという。

2014年失脚し、15年に亡くなった徐才厚前中央軍事委員会副主席と郭氏は江沢民元国家主席の側近で、それを後ろ盾にして軍内で絶大な権力を掌握してきた。約10年間にわたって郭氏はおもに総参謀部と総装備部を、徐氏は総政治部と総後勤部を分掌してきた。

一部のメディアによると、郭氏は受け取った賄賂の金額に応じて、少将か中将かの階級を与える官職売りを頻繁に行ってきた。少将に昇進したいなら、500万元~1000万元(約8000万円~1億6000万円)、中将には1000万~3000万元(約1億6000万円~4億8000万円)と相場を付けて金額を要求したという。今後軍内では、郭氏の収賄罪に関連した多くの人が摘発されるとみられる。

郭氏と妻の何秀蓮氏は4月5日に自宅で身柄拘束されたほか、息子の郭正鋼・前浙江省軍区副責任者とその妻も汚職容疑で昨年2月10日に身柄を拘束され取り調べを受けていた。また娘の郭永紅氏もすでに「双規」(決められた時間と場所で中国共産党の紀律検査機関による取り調べを受けること)が決まった。

(翻訳編集・張哲)

 

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