アフリカの南西部に位置しているナミビア共和国を、初めて耳にしたという人もいるだろう。しかし、この国の南部には地球外生物のような形をしている矢筒の木(Quiver tree)が一帯に広がっている珍しい森があって、観光スポットとして有名になっている。
この森は民間農場が所有しており、約250種類の矢筒の木がある。矢筒の木は実は木ではなく、アフリカ南部で見られる一種の高くて大きなアロエで、7~9メートルまで育つ。矢筒の木の茎は直径1メートルまでにもなる金色の皮で何層にも覆われており、その上部には大きさの異なった枝と幹が生えているので王冠のようにも見える。
滑らかな枝と幹には白い粉の層がかかっており、太陽光を反射させ自身を守る役目を果たしている。6月から8月にかけて南半球は冬であり、矢筒の木は黄色の花を咲かせ、同時に鳥や観光客を引き寄せる。
地元の原住民は矢筒の木の枝と幹で矢を収納種する袋にしたことから木の名称になったそうだ。また茎の繊維組織には空気を通すと冷却効果があるので、彼らは茎の中身を切り抜いて、食糧や水、腐りやすい食べ物をより長く保存するために利用している。
彼らは生活上の用途以外にも、生態系の面でも矢筒の木に様々4な価値を見出している。例えば、シャカイハタオリ(スズメ科鳥類の1種・social weaver)は枝や幹の上に巣を作ることで、高温や肉食動物から身を守ることができる。他にも昆虫や動物、鳥類は黄色い花に魅了されやってくる。
矢筒の木にとって最大の恐れは、地球温暖化と日に日に減少していく降水量で、国際自然保護連合(IUCN)に危急種(絶滅の危険性が高い種・Vulnerable species)に指定されている。 南アフリカでは既にこのような植物を保護する法律を作った。一方、ナミビア共和国は矢筒の木の森を国家記念指定地域にした。
翻訳編集:淳萌
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