驚きの腐敗実態と大規模デモ多発からみる中国共産党の末路(2)
驚きの腐敗実態と大規模デモ多発からみる中国共産党の末路(1) の続きです。
増加する腐敗官員らの実態に国民が驚く
中紀委が製作した反腐敗キャンペーンのドキュメンタリー番組と他の国内メディアが報じた官員らの腐敗実態に驚きの連続だ。高級ホテルの超豪華スイートルームで会議をする官員、68戸の豪邸を持つ官員、莫大な量の高級ヒスイ腕輪を保有する官員、家のベッドの下に大量の現金を隠す官員などなど。
最も驚いたのは、当局が公表した収賄金額が最高額だった人が高い地位の政府官員ではなかったことだ。黒龍江省にある国営石炭企業の龍煤集団傘下子会社の副社長の丁鉄義氏という人物だ。丁氏は3億元(約45億円)以上を収賄したとして、10月に中国当局に終身監禁を言い渡された。子会社の副社長が3億元の賄賂を受け取ったなら、親会社の社長や会長などの幹部はどれほどの賄賂を受け取っているだろうか?他の鉄鋼や石油関連国営企業の幹部はまたどれほどの収賄を受け取っているだろうか?と多くの国民が疑問を持つ。国民の怒りを買うのを恐れて、習近平政権はそれを発表する勇気がないだろう。
ドキュメンタリー番組では、出演した、あるいは当局に出演させれられた元高官たちが番組の中で涙を流して「反省する」シーンがあった。それを見てインターネット上では、「演技が上手いね」と皮肉るコメントがあがった。当局に逮捕されて収監されている今、彼らは「祖国」「国民」を急に思い出して、弱々しい声で「深く反省している」と話す。以前の横柄な態度と対照的な今の様子に、可笑しいバラエティ番組を見ているようだ。
その番組第5回では、習近平政権が党内で挙げた贅沢禁止令とも言われる「八項規定」に違反したとして、2016年8月末まで約18万7409人の党員に対して処分を行った。その中の9万1913人に対して、除名や党内職務の罷免などの党規律処分を行ったとの統計を示した。さらに「2013~16年8月まで全国司法機関が汚職と腐敗で立件した件数が98万5千件、97万6千人に対して党規律処分を行った。将来、この統計データがさらに増える」と示した。
100万人近くの官員が立件されて処分を受けたが、この数字がさらに「増える」とは、党内の汚職・腐敗があまりにも多すぎるため、習近平政権がそれらを撲滅することは到底できないことを意味する。
また番組の第6回では、職務権限の低い地方の公務員でさえ、巨額な賄賂を受け取っていると暴いている。西安市某区の居民委員会(町内会にあたる)主任の于凡氏が、同地区の再開発建設プロジェクトで業者から約1.2億元(約18億円)の賄賂を受け取った。
河北省秦島北市北戴河区の水道局幹部の馬超群氏に対して、当局は汚職などの容疑で家宅捜査したところ、馬氏の家から1.2億元の現金と37キロの金の延べ棒が見つかった。また、馬氏が68戸の不動産を所持していることも発覚したなどなどの共産党下層部の幹部の汚職が暴かれている。
もはや中国共産党政権は崩壊するしかない
すべての汚職官員らが受け取った賄賂を合わせた莫大な金額を使って、中国農村部や都市部の貧困層の生活、国民の社会福祉をどれほど改善できただろうか?広がりすぎている社会格差も、またどれほど縮小させられたのだろうか?
このドキュメンタリー番組を通じて、中国共産党の上層部から下層部までの官員がその職務権力を通じて私利私欲を満足させるために、国民にあるはずの資産と権利を自らの懐に入れ貪る実態に、中国国民は怒っている。実際に、中国国民には共産党政権を信じる人がもう一人もいない。ますます多くの国民は、中国共産党の独裁統治と、江沢民政権で挙げた「汚職と腐敗で国を治める」方針で中国社会が空前の危機に陥り、経済や法制や社会道徳における数えきれないほどの問題をもたらされたのを認識した。
現在の習近平政権が直面しているのは官員の腐敗横行と数多くの社会問題が存在し、共産党に怒り爆発寸前になっている国民という複雑すぎる国内情勢だ。現政権最高指導者にとって、国民の人心を失いすぎた共産党政権が崩壊する運命を、いかなる人といかなる方法でも変えられない事実を心得るべきだ。中国共産党が崩壊することで、はじめて中国と中国国民に新たな希望と再生を見出すことができる。
(終わり)
(時事評論員・程暁容、翻訳編集・張哲)