公害
杭州市に「黒い雨」、住宅・自動車・畑が真っ黒に
中国浙江省杭州市蕭山区では14日朝、突然「黒い雨」が降った。地元政府は「廃棄された石油缶の中に残った石油コークス(燃料の1種)粉が漏れて空中に舞い上がったためだ」と説明した。
地元メディアの「銭江晩報」(15日付)によると、蕭山区などで雨が降っていた14日朝8時頃、傘を差さなかった市民が道を歩いた際、服や顔が真っ黒になったことに気づき、空を見上げてみると、黒い雨が降っているのに驚いたという。市民によると、雨が上がった後、住宅や自動車、畑が真っ黒な粉末に覆われ、外に干した洗濯物も全部真っ黒になった。
黒い雨が降った後、蕭山区環境保護局に市民からの問い合わせが殺到した。
環境保護当局が調査した結果、原因は2011年に廃業された染料会社の工場と判明した。同会社は工業用燃料の1種である石油コークス粉を生産していた。廃業された後、工場内では同製品が残された4つの缶が放置された。13日夜、関係者がそのうちの2つの缶を解体作業中、操作ミスで缶中にこびりついた粉末が漏れたという。舞い上がった粉末が雨に混ざって、同工場を中心に半径800メートルの地域に広がったと、当局が示した。
地元メディアは、石油コークス粉は「主要成分が炭素で、毒性はない」と伝えた。
北京にあるシンクタンク、カーネギー・清華グローバル政策センターの王韜博士は昨年8月、国内メディア「経済参考報」に対して、石油コークスを燃焼する際「石炭と比べて、より高い濃度の硫黄のほか、水銀、ヒ素、クロムなどより多くの重金属汚染物を生じさせられる」と指摘し、環境保護の観点から中国当局が同燃料の使用を厳しく監督管理すべきだと主張した。
(翻訳編集・張哲)
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