水は0℃で凍り、100℃で沸騰することに異論のある人はいないだろうが、このほど、ミクロの世界では水は100℃に熱せられると氷結するという、驚くべき現象が発見された。
2016年11月28日、科学技術関連のネットサイト、phys.orgにマサチューセッツ工科大学の研究結果が掲載された。研究者たちは実験により、カーボンナノチューブ中の水に100℃の温度条件を与えると、水が氷結することを発見した。正確には105℃から151℃の環境下で、カーボンナノチューブ中の水分が、沸騰ではなく氷になる。これはつまり、水分子が凝固して動かなくなることを意味している。
水のようなごく一般的な物質が、ミクロの世界では思いがけない変化を起こすことがあると、科学者たちは認識している。同大学の化学者、マイケル・ストラーノ教授は、液体をナノクラスの容器に入れると、その液体の位相(Aの波長とBの波長の周期がどれだけズレているか)の特性を変化させることができると説明している。そのため、水がカーボンナノチューブの環境に置かれると、おそらく単位空間内の水分子の数が著しく減少するために、マクロの次元とは明らかに異なる、100℃で水が凍りつくという現象が見られると考えられている。
ストラーノ教授は、物質のこうした変化は自分たちの予想をはるかに上回るものだと語っている。ただし、氷結と言ってもカーボンナノチューブ中の水は一般的な氷の状態にあるわけではなく、氷とよく似た結晶状態にあるということだとも説明されている。「いわゆる氷と全く同じものではなく、凍ったような状態になっているということ」
驚くべき結果はこれだけではない。実験前、同教授はカーボンナノチューブの炭素が水分子の進入を阻止すると考えていた。だが実験を行うと、水分子が非常にスムーズにカーボンナノチューブの中に進入するという、当初の予想を覆す結果が示された。この現象が起きた原因は、まだ解明されていない。
(翻訳編集・島津彰浩)
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