健康維持のために水を飲む必要があることは知られていますが、1日にどれくらいの量の水を飲むべきか、あるいはどのように飲むべきかについては、さまざまな意見があります。ここでは、専門家による「水分補給のルール」と水の効能についてご紹介します。
水分補給のルール:
「自分の体の声に耳を傾ける」
ウェイン州立大学運動科学准教授のタマラ・ヒュー=バトラー氏によれば、水は体にとって非常に重要であるといいます。細胞や血液の主成分であり、尿を通して老廃物を排出し、汗を通して体を冷やすのに役立ちます。水を飲む量が少なすぎると細胞は脱水状態になり、逆に飲みすぎると低ナトリウム血症で細胞が膨張します。
1日に飲むべき水の量は、体質、活動レベル、気温、発汗量によって異なるため、厳密な決まりはありません。
ヒュー・バトラー氏が言うには、「自分の体の声に耳を傾ける」とのことです。「 喉が渇いたら水を飲む。そうでなければ、水を飲む必要はありません」
「こうすることで、水を飲みすぎたり、少なすぎたりするリスクを減らすことができます。 このルールは、あらゆる体格、体温の人に当てはまるものです」
さらに、水分補給は塩分バランスにも関係しているといいます。「ナトリウムは神経と筋肉の機能に不可欠です。 私たちの体はナトリウムを使って水分補給の量をコントロールしています」
「要するに、携帯アプリを使って毎日の水分補給を促すのではなく、自分の体が伝えてくれる水分を必要とするタイミングを信じるのです」
ただし、このルールには例外もあります。ある研究では、高齢者は喉の渇きに対する感受性が弱く、水を飲む量が減る可能性があることが示されています。 しかし、水を多く飲むと腎臓病などの症状が改善されるという研究結果もあります。
水を飲むと体重が減る
食前に水を飲むと満腹感が得られ、その結果食べる量が減るので、減量に役立つという小規模な研究もありますが、まったく異なる結果を出した研究も多くあります。
水を飲むことと体重減少の相関関係は低いと主張する研究者もいますが、これは質の高い研究が少ないことが主な原因であるといえます。
他の研究でも、甘い飲み物を飲む代わりに水を飲めば減量に役立つことが示されています。 2012年に発表された研究では、300人以上の過体重・肥満の人々に、最長6か月間、甘い飲み物を水に置き換えてもらいました。その結果、体重が平均2~2.5パーセント減少したといいます。
つまり、水分補給はバランスが大切であり、「多すぎず、少なすぎず」が丁度いいのです。
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