(Getty Images)

成功するのに必要なのは「若さ」じゃない=米研究

どの分野でも、成功するのに重要なのは「若さ」ではない―米ジャーナル誌『Science』2016年11月号に掲載された論文によると、成功した人たちの特徴は、性格、粘り強さ、思考力、そして運に恵まれていることで、年齢は関係ないという。

米国ボストンにあるノースイースタン大学のロベルタ・シナトラ(Roberta Sinatra)博士と彼女が率いる研究チームは、1893年から現在までにキャリアを積んだ物理学者2856人のデータを丹念に調べ、「彼らが何歳の時に成功したのか」を分析した。これらの物理学者たちは20年以上のキャリアがあり、最低5年に一つは論文を発表している。彼らの論文のうち、「インパクト・ペーパー」(よく世間で引用される論文)が発表された時期を調べた。

その結果、彼らのインパクト・ペーパーが発表されたのはやはり若い時が多かった。しかし、それは年齢のせいではなく、「効率的だったから」と科学者たちは分析する。若者はより多くの実験をこなせるため、新しい発見につながりやすいという。

一方、研究チームが注目したのは、成功者たちが持っている「Q」という要素。Qとはモチベーションを高める、新しい発想にオープンである、チームで協調が取れる、研究結果を明確に説明することができるなど、多方面にわたるスキルのこと。Qとはつまり、個人の持つ性格の強みであり、その能力は年齢やキャリアの長さとは全く関係ないという。

また、もう一つ成功するのに大事な要素として、研究チームは「運」を挙げた。年齢に関わらず、インパクト・ペーパーを出した人たちは、「Q」という自分の性格の強みを生かせるようなプロジェクトに巡り合っている。科学、音楽、芸術、技術など、どの分野においても成功する人たちは運がいいかどうかにかかっていると指摘する。

研究チームの一人、アルバート=ラズロ・バラバシ(Albert-László Barabási)氏はニューヨーク・タイムスのインタビューの中で、「要するに、ネバー・ギブ・アップということ。あきらめたら、それで創造力は終わりなのです」と話す。自分の性格の強みを生かせるプロジェクトに出会えるかどうか。運を引き寄せる成功者になるには、並々ならぬ根気もいるようだ。

(翻訳編集・郭丹丹)

関連記事
肩の柔軟性と筋力を高める6つのエクササイズを実践すれば、可動域を改善し、肩こりや日常の不快感を和らげる効果が期待できます。
白キクラゲやレンコンをはじめ、免疫力を高める10の食材を紹介。伝統医学と現代科学が推奨する抗炎症効果で、肺を潤し冬を快適に過ごす方法を提案します。
新たな研究により、男性における自閉症の発症リスク上昇には、Y染色体が関与している可能性が示されました。男性では自閉症が女性より約4倍多く見られる一因として、Y染色体が自閉症リスクを特異的に高めていることが明らかになっています。
朝食のタイミングを調整することで、2型糖尿病の血糖値管理が改善する可能性があることが新しい研究で明らかに。運動と食事のタイミングが血糖値に与える影響を探ります。
神韻芸術団2025年日本公演間近、全国42公演予定。伝統文化復興を目指す公演に観客の支持と絶賛の声が相次ぎ、チケットも記録的な売上を上げている。