朴槿恵大統領ついに弾劾される 気になる今後
韓国国会で9日、234票の賛成で朴槿恵大統領の弾劾決議案が可決された。朴大統領の各種権限は即刻停止させられ、代理には国務院総理黄教安氏が就任。朴槿恵氏は再度国民に謝罪し、特別検察官と憲法裁判所の審理を受け入れることを明らかにした。韓国大統領が弾劾されるのは盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領に続く二人目となる。
朴槿恵大統領は9日に大統領府で国務委員と座談会を開き、弾劾決議が可決されたことについて、国民の意見を真摯に受け止めるとともに、この混乱した局面が早く収束に向かうことを望んでいると述べた。
韓国国会 弾劾決議が圧倒的多数で可決
韓国国会では9日午後4時頃、全体会議で出席議員299人のうち234票の賛成票をもって朴槿恵大統領の弾劾決議案が可決された。朴槿恵氏の大統領権限は即刻停止し、その職務は黄教安国務総理が代行する。
韓国憲法裁判所は直ちに本案を処理し、最長で6か月以内に判決を言い渡す。憲法裁判所裁判官9人のうち6人以上の賛成で弾劾が確定となる。
もし憲法裁判所で弾劾理由が認められれば、朴槿恵氏の大統領職は停止し、60日以内に大統領選挙が行われる。裁判所での審理期間中は大統領の身分を保持することが可能であり、総統府内での生活や保安、専用機の利用も可能だが、大統領としての権限が停止されているため、それらの交通手段はもはや用をなさない。そして憲法裁判所で弾劾が決定すると、朴槿恵氏は大統領の退職金や医療保険を含む待遇を全て失うこととなる。
朴氏の今後が注目の的に
国会で弾劾決議がなされた後、朴氏の捜査に当たる独立検察チームの動向が注目を浴びている。朴大統領案件の捜査のスピードは憲法裁判所での審理の速度に影響を与え、次期大統領選にすら影響を与えかねないからだ。
元ソウル高等検察庁長官・朴英洙(パクヨンス)氏は11月30日に朴大統領から特別検察官に任命され、大統領の親友チェスンシル氏による一連の事件を調査する特別チームを立ち上げ捜査に乗り出す。
朴英洙氏が朴大統領本人に対する直接的な取り調べも行うとしたことから、検察側がいつどのような方法で朴槿恵氏を取り調べるかが注目の的となっている。
朴槿恵大統領弾劾決議の内容は以下の通り。
- 合計47回にわたり各種国家政策及び重要人事案に関する文書等の国家秘密をチェスンシル氏らに漏えい
- チェスンシル氏らが推薦した人物を登用し、国家公職の人事を操作してチェ氏及び朴大統領に親しい人物を公職に就かせ国政を独占
- 大統領権限を濫用し、国家権力及び国家政策を私利私欲を満たすための道具とした
- チェスンシル氏らに便宜を図るため、言論・新聞メディアを抑圧し、言論・報道の自由を不当に侵害
- 国家の災難と危機において、総統は国民の生命と安全を保護する義務がある。しかし「セウォル号事件」発生時において有力な管理措置や救助措置を取らなかった
(翻訳編集・文亮)